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アセクシュアル アロマンティック入門 性的惹かれや恋愛感情を持たない人たち
¥1,100
LGBTに関する議論から取りこぼされてきたものがある。 それが「アセクシュアル」「アロマンティック」などのセクシュアリティだ。 アセクシュアルとは「他者に性的に惹かれない」という指向で、アロマンティックとは「他者に恋愛的に惹かれない」指向をいう。 私たちは「誰しも他者を恋愛的な意味で『好き』になったり、性的な関係を持ちたいと思ったりするはずだ」という前提で日々を過ごしがちだが、そういった思い込みは彼らの存在を否定することになる。 本書ではアセクシュアルやアロマンティックの人々の経験や置かれている状況、歴史、そして関連する用語や概念を詳細に解説する。 松浦優(まつうら・ゆう) 一九九六年福岡県生まれ。 九州大学大学院人間環境学府博士後期課程修了。 博士(人間環境学)。 九州大学大学院人間環境学研究院学術協力研究員。 専門はクィア・スタディーズおよび社会学。 共著に『フェミニスト現象学:経験が響きあう場所へ』『アニメと場所の社会学:文化産業における共通文化の可能性』『恋愛社会学:多様化する親密な関係に接近する』『入門・家族社会学:現代的課題との関わりで』。 【目次】 はじめに――「好きになる」とは 第1章 アセクシュアル/アロマンティックとは何か 第2章 Aro/Ace の歴史 第3章 Aro/Ace の実態調査 第4章 差別や悩み 第5章 強制的性愛とは何か 第6章 セクシュアリティの装置 第7章 結婚や親密性とセクシュアリティの結びつき 第8章 Aro/Ace の周縁化を捉えるために 第9章 Aro/Ace のレンズを通して見えてくるもの おわりに
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假面の告白 初版本復刻版 (仮面の告白)
¥3,960
1949(昭和24)年に刊行、日本文学史を揺るがした自伝的書き下ろし小説の初版本を限定復刻。発表当時の「『假面の告白』ノート」「作者の言葉」も収録する。生誕100年記念出版。 本文のみならず、カバー、表紙、扉、帯、そして、三島氏自身による「「假面の告白」ノート」を含む、当時の「書き下ろし長篇小説」シリーズの月報までを再現。 三島氏が広告宣伝のために書いたという「作者の言葉」、三島氏の死去の直後に書かれた坂本一亀氏による回想エッセイ「『仮面の告白』のころ」を含む小冊子も封入。 ※部数限定復刻につき、重版はいたしません。 平野啓一郎氏推薦! 「私は永遠に私でしかない。──絢爛たるペダントリーと華麗な技巧、瑞々しくも官能的な詩情に酔わされながら、読者が最後に向き合うのは、素顔の三島の孤独な自己認識だ。この告白は悲痛だが美しく、そして確かに、天才の開花だ。」 著者 三島 由紀夫 (ミシマ ユキオ) 1925年東京生まれ。東京大学卒業後、大蔵省に入庁した後に退職し、執筆生活に入る。1949年刊行の『仮面の告白』で作家としての地位を確立。1970年自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自決。
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別冊太陽 新版 三島由紀夫
¥2,400
永遠の美と理想に向かって 己を駆動させ続けた、その「文学的」生涯とは何だったのか。 恐るべき作家の軌跡を追う──。 生誕100年を記念し、新版にて刊行決定。 平野啓一郎による巻頭エッセイや、巻頭グラビアを追補した、 三島文学と生涯への格好の入門書!! 《巻頭エッセイ》 明察と酩酊との奇妙なアマルガム──百歳の三島由紀夫を想像する年 平野啓一郎 魂と肉体の交渉 横尾忠則 《巻頭グラビア》 MISHIMA──高貴な被写体 《三島由紀夫の時代》 ◎1925年1月14日-1940年頃 先行する言葉 “詩を書く少年”の時代 童話への耽溺/公威をめぐる女性たち/紙上映画「世界の驚異」 ◎1941-45年頃 “三島由紀夫”の出発 戦時下、「花ざかりの森」の時代 ペンネームの由来/習作期の未発表小説「廃墟の朝」/芝居日記 ◎1946-51年頃 “内心の怪物”との苦闘 戦後、「仮面の告白」の時代 会計日記/脆さうな造花 川端康成との出会いと「盗賊」 ◎1952-57年頃 才華撩乱の文学 「金閣寺」の時代 三島文学における筋肉 ◎1958-64年頃 空白の時代に挑む 「鏡子の家」の時代 ぼくはオブジェになりたい ◎1965-1970年11月24日 雅と行動と 「豊饒の海」の時代 学生運動と三島由紀夫/「豊饒の海」結末 世界を存在させる夏の庭 書簡にみる三島由紀夫の最期/三島由紀夫 最後の言葉 ◎1970年11月25日 真昼の最期/事件の反響 《エッセイ》 三島さんと映画「憂国」 藤井浩明 最後の二日間 徳岡孝夫 今、蘇る危うい予告 石原慎太郎 3M(ミシマ/モリタ/モリムラ)を見据えて 森村泰昌 《論考》 書くことが生きることと密接につながっていた 松本 徹 映画人を刺激し続ける主題 山内由紀人 言葉ひとつでドラマを構築することに魅せられて 松本 徹 血の通った原体験から生まれる批評精神 井上隆史 多様な人を相手に座談の妙 山中剛史 死の煌めき 田中美代子
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養生する言葉
¥1,760
この世界が、あなたにとって、ちょっとでも生きやすくなりますように。 自分自身を優しくいたわる「ヒント」がつまったエッセイ集。 大江健三郎、ハン・ガン、津村記久子、文月悠光、『ブルーロック』、『君と宇宙を歩くために』……文学研究者が出会った、人生に寄り添ってくれる「言葉」と「物語」。 「養生という言葉を私は自分自身の生を養うさまざまな物語とつなげて考えてきた。ちょこんと横に置いて、ヒントとなる物語。自分の感情を教えてくれたり、生きる力をくれるような表現。それらを養生する言葉として捉えてきた。養生する言葉は、生きるための知恵であり、私よりも先に生きてきた人たち、同時代に生きている人たちが重ねてきた、輝くような実践の集積である。」 装幀・装画:鈴木千佳子
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言葉の展望台
¥1,430
いま、あなたとの会話で起きたことは、いったい何だろう? マンスプレイニング、コミュニケーション的暴力、会話の引き出し、言語的なポリティクス、アイデンティティと一人称、人々をつなげる言葉、誠実な謝罪と不誠実な謝罪……。難しくて切実で面白い「言葉とコミュニケーション」を、「哲学」と「私」のあいだのリアルな言葉で綴るエッセイ。 【目次】 プロローグ コミュニケーション的暴力としての、意味の占有 そういうわけなので、呼ばなくて構いません ちょっとした言葉に透けて見えるもの 張り紙の駆け引き、そしてマンスプレイニング 言葉の空白地帯 すだちかレモンか 哲学と私のあいだで 会話の引き出し 「私」のいない言葉 心にない言葉 大きな傘の下で会いましょう 謝罪の懐疑論 ブラックホールと扉
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女の子のための西洋哲学入門 思考する人生へ
¥3,630
メリッサ・M・シュー+キンバリー・K・ガーチャー=編 三木那由他+西條玲奈=監訳 青田麻未/安倍里美/飯塚理恵/鬼頭葉子/木下頌子/権瞳/酒井麻依子/清水晶子/筒井晴香/村上祐子/山森真衣子/横田祐美子=共訳 これまでの「男性のための哲学」ではない、もうひとつの哲学へ。 「女の子」が成長し大人になっていく過程で考えるべき哲学の問いを解きほぐし、 「自由に思考を広げること」、そして「自分の力で考えながら生きること」の楽しさとかけがえのなさを説く。 女性哲学者たちがいざなう、かつてない哲学入門・画期的エンパワメントの書! あなたは、哲学の歴史のなかで、女性の哲学者の名前を10人挙げられますか? 3人ならどうでしょう? ほとんどの人にとって、それはむずかしいことなのではないでしょうか。 女性は長い間、哲学の分野で疎外されてきました。なぜなら、彼女たちの貢献は歴史的に男性たちの業績として扱われたり、あたかも貢献など存在しないかのように葬り去られたりしてきたからです。 本書は、女性哲学者たちが「自分が18歳から20歳くらいだった頃を振り返り、自分自身の疑問を見つけ、知的に成長しつつあるその時期に、どんな本があったらよかったか、そしてその本にどんな章があったらよかったか」というテーマで執筆した、新しい「哲学への扉」とでもいうべき本です。 女の子や若い女性を哲学的な思考へと招き入れ、哲学的に物事を考えてみるよう勇気づけるものです。 哲学に触れ始めたばかりのひとにもおすすめできるこの本は、哲学的な問いとは何か、そしてそれが女の子や女性の生活や人生にどのように当てはまるのか、幅広い視点と思考を広げていくヒントを提供します。 本書では、哲学のおもな分野(形而上学、認識論、社会哲学・政治哲学、倫理学)が扱われます。どこからでも読める章立てなので、構える必要はありません。ジェンダーと哲学の交差点について興味のあるひとにとって必ず役立つ1冊となるでしょう。 例えば、アイデンティティや自律といった自己のあり方、科学や芸術や疑いといった知のあり方、人種やジェンダーといった社会構造や権力関係が私たちの現実をどのように形づくるのか、そして、怒りや共感や勇気などの感情と倫理の関わりを現実の問題の中でどのように考えていけるのか。 2020年代の今を生きる私たちにとっても切実で、好奇心を刺激する哲学的なテーマを、生き生きと魅力的な文体で、親しみやすく説いていきます。 いままさに女の子であるあなた、あの頃女の子だったあなた、これから女の子になっていくあなた、女の子と見なされたことのあるあなた、女の子のことをもっと理解したいあなたへ──すべてのひとを歓迎する、私たちのための哲学への招待です。 この世界で何ができるか確かめてみよう。結局、自分のほかに誰も知識を与えることはできず、この世界も向こうの世界も理解するのは自分次第なのだから。自分のために感じ取り、学び、生きなければなりません。 (中略) 要するに、彼女の行く道は哲学の道にたどり着くものです。思索に満ち、慎重を要する、そして好奇心を掻き立てる道です。 (中略) あなたもこの輪に招かれているのです。 (「プロローグ」より) – 西洋哲学の歴史はおおむねシスジェンダーの、ヘテロセクシュアルの、白人の男性たちの思考の歴史でした。もちろん実際には優れた女性哲学者は何人もいたのですが、西洋哲学の解説のなかで彼女たちが話題になることは、ごく最近の哲学者の場合を除くとあまりありません。日本で西洋哲学について解説するひとも、ほとんどはシスジェンダーで、ヘテロセクシュアルで、人種的・民族的マジョリティの男性たちでした。そしてそうした男性たちが、自分自身の経験を具体例として挙げたりしながら、過去の男性哲学者たちの思想を引用し、哲学への導入を用意してきました。 だから、これまでの西洋哲学の入門書は言ってみればずっと『男の子のための西洋哲学入門』ばかりになっていました。男性が、男性哲学者の話を、男性である自身の経験を例として使いながら解説していたのです。そんな入門だらけだと、どうしても女性や女の子にとってはどうにも入りづらい門ばかりになってしまいますよね。だからこそ、この本はあえて「女の子のための」と銘打っています。もともとどの性別向けでもなかったもののなかに「女の子用」をつくるためではなく、もともと「男の子用」だった世界に「男の子用」でない場所をつくるためです(本当は『ノンバイナリーの若者のための西洋哲学入門』もあってしかるべきなのですが、残念ながらいまのところ実現していません)。 (「監訳者まえがき」より)
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BLマンガの表現史 少年愛からボーイズラブジャンルへ
¥2,540
紹介 1970年から2000年に商業ベースで刊行された2,873作品を数量的に分析して、時期ごとの特徴やジャンル総体の変化を実証的に明らかにする。女性たちが時代ごとの厳しい現実を生き延びるために紡ぎ出してきた表現のダイナミックな歴史をたどる。 解説 少年愛の時代から呼称を変えながら50年以上受け継がれてきた「男性キャラクター同士の恋愛やセックスを軸にする物語」は、巨大なメディア産業の一翼を担うBLへとどのように至ったのか。ポピュラー文化の一つのジャンルとして確立する過程で、表現の型やお約束はどう変遷してきたのか。そもそも、BLをBLたらしめるものとは何なのか。 1970年から2000年に商業ベースで刊行された2,873作品を幅広く数量的に分析して、時期ごとの特徴を浮き彫りにする。とりわけ、ストーリーやキャラクター、カップル、セックスシーンの特徴を比較して、ジャンル総体の傾向を分析する。そのうえで、その背後にある女性を抑圧する社会規範との関連を捉える。 「悲劇から恋の成就というハッピーエンドへ」「女性的な美しさから男性のかわいさへ」などのジャンルの変化を実証的に明らかにして、女性たちが時代ごとの厳しい現実を生き延びるために紡ぎ出してきた表現のダイナミックな歴史をたどる。 目次 はじめに――〈男×男〉マンガの誕生と変化を考えるために 第1章 BLマンガというジャンル 1 〈男×男〉物語はどう論じられてきたか 2 約束事と型 3 〈男×男〉作品とマンガ研究の先行研究 4 本書の分析方法――〈男×男〉マンガの特徴とジャンルの成立過程を分析するために 第1部 変化を捉える――〈男×男〉マンガの通時性 第2章 ストーリーの数量的分析 1 舞台――時代と国・地域 2 恋愛――カップルと物語の結末 3 セックスシーンの有無 4 各時期のストーリーの特徴と変化 第3章 キャラクターの数量的分析 1 基本設定――年齢層、国籍・出身地、職業・属性 2 特徴――家族・境遇、性的指向 3 キャラクターの容姿――言及の有無と表現内容 4 各時期のキャラクターの特徴と変化 第4章 カップルの数量的分析 1 基本設定の差異――年齢層、立場や社会的地位 2 容姿の差異――身長と瞳、容姿の言語表現とジェンダー 3 〈攻〉〈受〉関係と〈能動側〉〈受動側〉 第5章 セックスシーンの数量的分析 1 基本的構造――性行為の導入シーンとセックスの様式 2 〈攻〉〈受〉役割の差異――モノローグの語り手、着衣の状況 3 〈攻〉〈受〉の表情や様子の描写 4 性的な身体部位の描写 5 各時期のセックスシーンの特徴と変化 第2部 時代の特徴を捉える――〈男×男〉マンガの共時性 第6章 〈男×男〉マンガの誕生――少年愛期 1 非日常の世界 2 美少年という表象 3 カップルでの愛と成長 4 イメージとしてのセックスシーン 5 少女マンガが獲得した〈男×男〉の意義――少年愛の時代 第7章 〈男×男〉マンガの成長――JUNE/耽美期 1 変化する〈男×男〉マンガの舞台 2 美しさを内包するキャラクター 3 成長した少年愛の物語 4 におわせる表現技法 5 〈男×男〉マンガ史の3つの潮流――JUNE/耽美の時代 第8章 〈男×男〉マンガの転換――プレ・ボーイズラブ期 1 愛し合う2人が結ばれる物語 2 日常世界に生きる男性たちの恋愛 3 対等な立場とカップルの非対称性 4 〈攻〉〈受〉役割の明示と固定化 5 〈男×男〉マンガのマーケットの誕生 第9章 〈男×男〉マンガのジャンルの形成――ボーイズラブ期 1 ボーイズラブの約束事 2 男性をどう描くか 3 同じ世界の2人とボーイズラブジャンルの定型 4 性的な表現の追求 5 新たなジャンルとしてのボーイズラブ――ボーイズラブの時代 おわりに――BLジャンルができるまで、できてから 参考文献一覧 あとがき 著者プロフィル 西原 麻里(ニシハラ マリ) 1984年、佐賀県生まれ。跡見学園女子大学文学部准教授。専攻は社会学、マンガをはじめとするメディア文化研究、ジェンダー・セクシュアリティ研究。共編著に『マンガ文化55のキーワード』『ポスト〈カワイイ〉の文化社会学――女子たちの「新たな楽しみ」を探る』(ともにミネルヴァ書房)、共著に『BLの教科書』(有斐閣)、論文に「「ボーイズラブ」ジャンル形成期における「マンガ・アニメファン」雑誌の言説」(「人間学研究」第19号〔2020年〕)など。 上記内容は本書刊行時のものです。
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但馬日記 演劇は町を変えたか
¥2,530
生まれ育った東京を離れ、家族で兵庫県北の小さな町に移り住んだ理由は「転勤」!演劇と観光の学べる専門職大学の開学、国際演劇祭の開催…。新たな共同体をつくる試みは、コロナ禍や市長選の対立構造に翻弄されていく。芸術や文化による地域の再生は可能か?町に新しい風は吹いたのか?濃密に語られる三年半の記録! まえがき 第1章 移住まで――コウノトリの郷へ 第2章 見えない敵と戦う――コロナ禍のはじまり 第3章 幕が上がる――豊岡演劇祭開幕 第4章 大学を開く――芸術文化観光専門職大学創設 第5章 演劇の町なんかいらない――豊岡市長選挙 第6章 挑戦は続く――明けない夜はない 終章 希望の風――この一年 平田オリザ(ヒラタ オリザ) 劇作家,演出家,芸術文化観光専門職大学学長.劇団「青年団」主宰.江原河畔劇場・こまばアゴラ劇場芸術総監督.1995年『東京ノート』で第39回岸田國士戯曲賞受賞.2002年日韓国民交流記念事業『その河をこえて,五月』で第2回朝日舞台芸術賞グランプリ受賞.ほか受賞多数.2011年フランス文化通信省より芸術文化勲章シュヴァリエを受勲.主著に『芸術立国論』(集英社),『わかりあえないことから』(講談社),『演劇のことば』『新しい広場をつくる』(いずれも岩波書店)など.小説に『幕が上がる』(講談社,2015 年映画化).
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ふじと南極のなかまたち 下
¥1,320
観測員の前にたちはだかるのは、ペンギン!アザラシ! 時は昭和40年。 東京から日本初の砕氷艦である南極観測船「ふじ」が出港しました。 そして、ついに南極に到着! ペンギン皇帝閣下から南極入国パスポート発行(?) 昭和基地の再建で大忙し! 助っ人はペンギン!? 貴重な水と生野菜 ブリザード襲来! etc 実話をもとにした南極観測物語!
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ふじと南極のなかまたち 上
¥1,320
観測員の前にたちはだかるのは、ペンギン!アザラシ! 時は昭和40年。 東京から日本初の砕氷艦である南極観測船「ふじ」が出港しました。 200名以上の乗員や観測隊のお仕事は様々。 航海、通信、調理、医療、研究…たくさんのプロフェッショナルが協力して南極に挑みます。 そんな1万4千キロ彼方、南極への旅路は驚きの連続! 地獄の船酔い、 ペット(?)の犬ブルとホセ。 南極を勉強する「ふじ大学」開講! 乗船中に盲腸に!? 密航者あらわる!? etc 実話をもとにした南極観測物語、開幕!
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【最終号!】NAGI-100 <2025冬春> 特集:有機的に生きる
¥720
特集 「有機的に生きる」 有機的で、普遍的で、持続的な 地域のあり方を探ってきたNAGIでは 25年の集大成として 有機的なライフスタイルの方々を通じて地方の復権を呼びかけます。 三重に根を下ろし、自然と共生しながら 暮らしを手づくりされている人(家族)たちの姿から 人間らしく生きるヒントが、きっと見つかるはずです。 [内容] 自然への感謝を伝える日本料理店 朔 沓沢敬・佐知子さん 土を耕す里山シンガー・ソングライター Chojiさん アフリカで気づいた本当の豊かさ HATAKEYA 川﨑亮太・麻里さん 水沢の茶農家女子を率いる姉御 かぶせ茶カフェ 清水加奈さん 暮らしを手づくりする木工作家 げんげのはらっぱ 野田哲夫さん 愛農かまどの技と物語を次世代へ 野呂由彦さん 小麦の6次産業化で農村風景を復活させたい mellow 島田大輔さん 母の思いを受け継ぎ海水で塩を焼く 岩戸の塩工房 百木良太さん やがて土に還る家づくりを石場建てで 木神楽 高橋一浩さん 酒米を無農薬栽培し全量を純米酒に 森喜酒造 森喜るみ子さん 自給自足を夢見た猟師夫婦と里山ネイティブ12歳 MY HOUSE 安田さん一家 尾鷲を元気に!町おこしのアイデアを次々と 松井まつみさん <連載/シリーズ> NEW WORLD シャンティー 原発のない町で 柴原洋一さんが自身にインタビュー OLD MOTORCYCLE LIFE SUZUKI KATANA/osatto ハイクで俳句 伊勢本街道を歩く④横野~田丸/久世伸子 ギャラリー凪 聖都エルサレム/中野晴生 神宮という宇宙 お木曳が繋ぐもの NAGI-FILE 三重県内の旬な情報 建築という冒険 ポトガラヒースタジオ/米田雅樹 火のある暮らし 日々の炊飯は愛農かまどで 発行人対談 舘浦あざらし vs 吉川和之 読者の手紙拡大版 100号に寄せて
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NAGI-99 <2024冬号> 特集:買い物が楽しい個人商店・市
¥720
特集 「買い物が楽しい個人商店・市」 「買い物は投票である」という言葉をご存知ですか。 私たちが日々なにを選び買うかは、 その商品や企業を支持していることに他ならない。 結果として今の社会が出来上がっているから 買い物は選挙と同じという意味です。 日頃スーパーやコンビニ等の恩恵にあずかる身ですが もう一度見直したい、 地域の個人商店で買い物する楽しさを。 八百屋、魚屋、肉屋、豆腐屋⋯⋯ 地域で長く続いている商店で 単にモノを売り買いするだけではない 顔が見える関係による歓びの交換を。 [内容] 第1部 個性が光る個人商店 青 果 なかこう青果店/鎌田青果 鮮 魚 浜よし/魚石/フジヤマ 精 肉 田中精肉店/カネキ精肉店/おう児牛肉店 カタログ お肉屋さんのデリカテッセン 豆 腐 豆腐力 練り物 川清蒲鉾店/マルエス田中商店 乾 物 かねやす/川出海苔店 米 世古米穀店 糀 中村糀店 あん 伊勢製餡所 酒 義侠屋/タルヤス 駄菓子 かめちゃん/さんぺや 第2部 非日常の高揚を味わう市 三滝川慈善橋市場 三八市 伊勢のだいどこ市 尾鷲イタダキ市 日並の市 ハラペコ里の市 <連載/シリーズ> NEW WORLD シャンティー 原発のない町で 川崎佐和さん/柴原洋一 OLD MOTORCYCLE LIFE フラットツインは疲れ知らず/osatto ハイクで俳句 伊勢本街道を歩く③奥津~横野/久世伸子 NAGI-FILE 三重県内の旬な情報 建築という冒険 空き家を記憶の図書館に/米田雅樹 ヤギ飼う人びと 福田由美子さん 先見の人 御木本幸吉 発行人対談 舘浦あざらし vs 吉川和之
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NAGI-98 <2024秋号> 特集:マニアックな三重旅
¥720
特集 「マニアックな三重旅」 全国に名の知れた観光地を数多く有する三重県。 が、地元に暮らす人々は常々こう思っているのでは、 もっと隠れた良いところがあるんだけど、と。 NAGI-98号では、通人のガイドで三重を旅します。 きっと郷土の再発見になるはず。 [内容] 桝屋善則さんの案内で 山田のお稲荷さん巡り◉伊勢市 山本直子さんの案内で 河崎で隅蓋ウォッチング◉伊勢市 坂政明さんの案内で 鉄道遺産と加太越奈良道を訪ねる◉亀山市 上野理志さんの案内で 四日市あすなろう鉄道の旅◉四日市市 桃山鈴子さんの案内で 四郷風致地区へ昆虫観察に◉四日市市 加藤みきおさんの案内で 神戸で昭和にタイムスリップ◉鈴鹿市 ミフジ・村田紙店・銀河堂Z 県都の文具店めぐり◉津市 正午に流れるヤサホーラエー 尾鷲節を探して町歩き◉尾鷲市 映画・銭湯・居酒屋 山﨑範子さん流伊勢の歩き方 <連載/シリーズ> NEW WORLD シャンティー 原発のない町で 元町夏央さん/柴原洋一 OLD MOTORCYCLE LIFE キャンディグリーンの貴婦人/osatto ギャラリー凪 Ayanasu/ペルナッカ スダカラン ハイクで俳句 伊勢本街道を歩く②山粕~奥津/久世伸子 先見の人 本居宣長 NAGI-FILE 三重県内の旬な情報 建築という冒険 はたけスーパーの丘/米田雅樹 ヤギ飼う人びと 小原田氣恵さん 火のある暮らし 自作の五右衛門風呂 谷根千トークイベント報告 雑誌づくりとその町暮らし 兎の耳 スローな船旅のすすめ
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NAGI-95 <2023冬号> 特集:令和の古民家食堂
¥720
特集 「令和の古民家食堂」 古民家とは、伝統的な工法で建てられた、おおむね築100年を経た木造住宅のこと。 ひと昔前までは価値なきものと見捨てられてきた古民家ですが その魅力に気付いたひとびとが飲食店へとリノベーションし 地域を活気づけています。 令和の潮流は、自力改装や建築家に委ねたセンスある大胆リフォームなど。 カフェ、日本料理、創作キュイジーヌ⋯ 生まれ変わった空間で、ゆるりと食事のひとときを。 [内容] 1章 町家を食堂に 伊勢河崎、亀山関宿など町中の再生例 2章 田舎家を食堂に なつかしい田の字造りの家をリノベ インタビュー 古民家再生の心得 小林建一さん/世良和也さん <連載/シリーズ> NEW WORLD シャンティー 原発のない町で 大形拓嗣さん/柴原洋一 OLD MOTORCYCLE LIFE osatto ギャラリー凪 Dollhouse/工藤和代 CASA NAGI 風景をとりこむ十文字壁のスクエアハウス/きりん 神宮という宇宙 神宮暦 NAGI-FILE 三重県内の旬な情報 建築という冒険 10年後の写真館/米田雅樹 ヤギ飼う人びと 山本豊さん 火のある暮らし 薪で沸かすドラム缶風呂 ハイクで俳句 三木崎灯台と海辺の廃村/久世伸子 先見の人 谷川士清
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NAGI-68 <2017春号> 特集:知の探検に出かけよう 博物館で見る夢
¥713
特集 知の探検に出かけよう 『博物館で見る夢』 博物館の価値はハコの大きさではない。 大切なのは、そこにしか無いものが知的好奇心をくすぐるか 館長の情熱が見る者に伝わってくるか その空間をたゆとうひと時、夢心地になれるか否か。 渾身のコレクション、母なる海と人間の関わり 千年を越える神宮の営み、明治の名建築の息吹。 独自のテーマで大人を楽しませてくれる博物館を紹介する。 さあ、知の冒険へ。 ●渾身のコレクション マコンデ美術館 伊勢市 万協フィギュア博物館 多気町 BANKO archive design museum 四日市市 川原の一本松 四日市市 坂井田・世界凧博物館 津市 ●海と人の関わりを知る 真珠博物館 鳥羽市 マリンギャラリー 鳥羽市 海の博物館 鳥羽市 ●式年遷宮が伝える工芸魂 せんぐう館 伊勢市 神宮徴古館・農業館 伊勢市 ●明治建築と会う 博物館明治村 愛知県犬山市 <連載/シリーズ> 東京で三重の食を発信 割烹店主・田中佑樹 アイヌを守らねば/山本命 パンダだからしょうがない/osatto 母性愛の強い爬虫類 ミシシッピーワニ/若井嘉人 局ヶ岳 /森武史 写真家 南川三治郎/林裕己 土間を挟んで二世帯が水平対向する平屋 ちゃぶ台から生まれる和 伊賀鉄道に木育トレイン登場/非常時持出米 大久保雨咲『ドアのノブさん』/古民家ゆう庵/ちきゅう食 産後ドゥーラ/風車/上野屋こんにゃく/DOMINGO おんりぃ福/うみやまあひだミュゼ こだわりのトマトとメロン作り谷口/アトリエジータ 料理人も通う魚介類ピカイチの店「いやさか」 船越牡蠣を食べに/建築文化講演会/雪の綿向山/浜松の名店 鎖国の時代?/波風立流 原発推進の町・紀勢町の物語/柴原洋一 備中松山城/土面彰史
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谷根千の編集後記
¥1,760
保育園のママ友たちが、3人で10人の子を産み育てながら笑い、泣き、ケンカしたり励まし合って歩んだ25年、編んだ通巻94号。 東京都文京区で1984年〜2009年に季刊発行され、NTTタウン誌大賞、サントリー地域文化賞、山本有三記念郷土文化賞に輝いた伝説の地域雑誌「谷中・根津・千駄木やねせん」の編集後記を完全収録。 終刊15年目の編集後記、NAGI発行人と「谷根千」元発行人の対談も。 ー著者ー ●森まゆみ(モリマユミ) 1954年生まれ。作家、市民活動家。早稲田大学政経学部卒。1984年、山﨑範子、仰木ひろみと地域雑誌「谷中・根津・千駄木」を創刊(〜2009)。1998年『鴎外の坂』で芸術選奨文部大臣新人賞、2003年『「即興詩人」のイタリア』でJTB紀行文学大賞、2014年『『青鞜』の冒険』で紫式部文学賞を受賞。他に『お隣りのイスラーム』『暗い時代の人々』『「五足の靴」をゆく』『子規の音』など著書多数。 ●山﨑範子(ヤマサキノリコ) 1957年生まれ。フリー編集者。21歳の時に埼玉県川口市から文京区千駄木に越して、森、仰木と出会う。文化・記録映画の上映会「D坂シネマ」をときおり開催。スナックでのアルバイトなど編集以外の仕事も経験。現在、三重県松阪市の築160年の長屋に短期滞在中。 ●仰木ひろみ(オオギヒロミ) 1956年生まれ。都指定名勝「旧安田楠雄邸庭園(1900年近代和風建築)」プロパティマネージャー。上野旧奏楽堂のパイプオルガンの保存運動を始め、地域の古い建物の調査、保存活用の相談などを行う。オルガニスト。童謡を歌う「歌カフェ」主催。
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山善会が行く 大人の遠足
¥1,320
編集・発行 月兎舎 NAGI創刊から五年間つづいた人気連載が、単行本になりました。 田丸保育所からの仲間「山善会」は、不惑男の六人組。 職業も、年収も、背負うものも違うメンバーがスケジュールを調整し、身体に鞭打ちながら挑んだ三重と県境の山々、県外の名山、全22編の山行記。 御在所岳、大台ヶ原、伊吹山、屋久島、高野山…… 豊富なカラー写真と愉快な文章、詳細地図付きで つい山歩きに出かけたくなってしまうはず。 ●三重県と県境の山 14コース ●県外遠征シリーズ 8コース A5判 104頁
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松浦武四郎入門 改訂版
¥1,320
松浦武四郎入門 改訂版 山本命 4月24日発売 版元:月兎舎 松浦武四郎生誕200年、北海道命名150年を記念して出版した「松浦武四郎入門」(残部僅少)を、第4刷を機に改訂しました。基本内容は同じですが、巻頭グラビアを堀江昭雄氏撮影による北海道の自然風景に一新。8頁増でリニューアルした松浦武四郎記念館や、生誕地から松阪城下までの伊勢街道ガイドを充実させ、略歴のデータも最新の研究結果に基づき修正しています。カバー、見返し付きの装丁となりました。
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韓国フェミニズムと私たち
¥1,430
編 タバブックス 本体 1300円+税 A5判形・並製・152ページ ISBN978-4-907053-37-6 C0095 2019年11月発売 表紙デザイン 우유니게 本文デザイン 小松洋子 フェミニズム・リブート、江南駅女性殺人事件を契機に若い女性たちがフェミニズムに覚醒し、声を上げ、社会に変化をもたらしている韓国。現在起きているフェミニズムムーブメントとその背景を検証、女性作家、アクティビスト等の声を伝え、韓日女性たちの連帯をすすめるための1冊 1.韓国のヤングヤングフェミニストたち 脱コルセット 到来した想像 イ・ミンギョン フェミニストのコミュニティ設計 シン・インア(FDSC) interview ボムアラム(出版社) interview ハン・セッピョル(DSO=デジタル・性暴力・アウト研究チーム長) コラム:江南駅付近女性殺人事件 2.彼女たちが書くことば 私たちが石膏人形に生まれたとしても チョン・セラン 女友達にコクられた イ・ラン 韓国フェミニズム文学に描かれる共同体 すんみ interview ユン・イヒョン(作家) interview キム・ジナ(コミュニケーション・ディレクター) コラム:フェミニズム・リブート 3.ソウルで知ったこと 女性たちの行動 性平等図書館「ヨギ」/記憶ゾーン ウルフソーシャルクラブ カフェDoing マリーモンドラウンジ 戦争と女性の人権博物館 水曜デモは平和だ リュ・ジヒョン 4.連帯、そして日本の私たち ガールズ・ビー・アンビシャス 小山内園子 フェミニストであることが一番収まりがいい 小川たまか 日本の読者がK文学に見つけたもの 倉本さおり 韓国 あたらしいフェミニズムの本 韓国 女性と社会の歴史
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フェアな関係
¥1,870
著 兼桝綾 2022年11月24日初版発行 装丁 小川恵子(瀬戸内デザイン) 装画 増村十七 四六判ハードカバー・152ページ ISBN978-4-907053-58-1 定価 本体1700円+税 地元と東京、仕事とジェンダー、恋愛、セックス、結婚。この社会にいる女性たちの自我を描く兼桝綾、第一小説集。 『仕事文脈』で発表していた小説が話題、なかでも表題作「フェアな関係」は大きな反響を呼び、書き下ろし続編を加え緊急書籍化! 東京に住み、働き、さまざまな葛藤をいだく若い女性たちにぜひ読んでいただきたい小説集です。装画は『バクちゃん』『花四段といっしょ』で人気の増村十七さん。かわいくも不穏さが漂い、内容を表しています。 私は一気に喋った。セックスがしたいこと。セックスはしたいけど子どもがほしくないこと。自分の体調が悪くなるのが嫌だし、仕事の時間が奪われるのも嫌だし、そもそも子どもというものを愛せると思ったことが一度もないし、とにかく全部嫌であること。夫はサンダルの片方を持ったまま呆気にとられていたが、「そんなに嫌なのに、何で、子どもいてもいいかもねって言ったの……」と当たり前の疑問を呟いた。私はもう、今更隠し立てすることもないので、あたりも憚らず叫んだ。 「だから、有紀君に嫌がられないセックスがしたかったからに決まってるじゃん!」(「フェアな関係Ⅲ」より) 目次 フェアな関係 避難訓練 魔女の孫娘たち 東京より速く遠く フェアな関係 Ⅱ 冬闘紛糾 私より運命のひと スイミング・スクール フェアな関係 Ⅲ
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Kaguya Planet No.4 プラネタリウム
¥1,650
著者:南木義隆 田畑祐一 早海獺 鬼嶋清美 発行:Kaguya Books A5判 152ページ 並製 プラネタリウム100周年! 古代から星たちの輝きに心惹かれ、その謎を究明してきた人類は、天の空を再現しプラネタリウムという素敵な装置を作り上げました。近代的なプラネタリウムが1923年にドイツのイエナで試験公開され、1925年にドイツ博物館にて世界で初めて常設されてから、現在で100年。100周年を記念して、世界では様々な記念事業が行われています。 『Kaguya Planet No.4 プラネタリウム』でもプラネタリウムは様々な点で魅力的な場所として出てきます。天文好きを魅了する場所として、大切な人との思い出の場所として、天文好きな店員が集まるグッズショップの舞台として、星を媒介に人の希望を繋いでいく存在として……。SF小説やコラムを通して、プラネタリウムや天文の魅力を描き出します。 目次 ⚫︎小説 田畑祐一「マッチングアプリ」 南木義隆「星と巡り合う者たち」 早海獺「袋のなかはビッグバン」 ⚫︎ブックガイド 鬼嶋清美「プラネタリウム小説いろいろ」 ⚫︎ブックレビュー/コラム 堀川夢 J・G・バラード『沈んだ世界』ブックレビュー 腐ってもみかん「〈偽物〉にこそ宿るロマン ─プラネタリウムとガンダム─」 井上彼方「偽物と本物が交差するところ」 ⚫︎インタビュー 吉田育未 柞刈湯葉 ⚫︎連続企画 持続可能な同人誌作りを考える① 企画・編集・お金 ⚫︎Kaguya Future 2025 ⚫︎VGプラスの活動報告
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東北学/忘れられた東北
¥1,837
著者 赤坂 憲雄 著 発行 岩波書店 「東北はやがて、ある特権的な知の闘いの現場と化してゆくに違いない」。柳田国男の限界を乗りこえ、「ひとつの日本」という呪縛をほどく手がかりをえるために、一九九二年より東北の地を拠点としてはじまった野辺歩き。その驚きと喜びに満ちた紀行、考察にして、「東北学」という方法のマニフェストともなった、記念碑的著作。 プロローグ 東北へ/東北から 東北へ/はじまりの旅 東北にて/野良仕事の旅 東北から/冬の旅 1 歴史を笑え、と幼い詩人に祖父は教えた 東北への旅立ち バッタリのある村にて なつかしい移民史への訣れ 2 サイの河原に、早池峰を仰ぐ児らがいた 高原のサイの河原にて 仏教以前へのまなざし あの世からの言伝て 3 ナマハゲの鬼は男鹿の山から来た、という 虹の立つ半島にて ナマハゲの今と昔 南/北の秘密結社の祭り 4 日時計の向こうに、縄文の夕陽が沈んだ 環状列石のかたわらで 死者を抱えこんだ円環 日時計はだれの墓か 5 大同二年に、窟の奥で悪路王は死んだ 達谷の窟にて 田村麻呂伝説をめぐって 大同、歴史のはじまりに 6 その晩、鮭の大助は月光川をのぼる 鮭の千本供養塔 鮭の大助という謎 サケ・マス文化論を越えて 7 山に生かされた者らよ、と石の環が囁く マタギ伝承をめぐって マタギ/アイヌ文化 ある記録映画から 8 鉱山で、山の神の代官たちが福音を説いた 銀山の跡を訪ねて 鉱山とキリシタン 大同年号を携える人々 9 ネブタ囃しに、遠く異族の血が燃えて騒ぐ ネブタと竿灯 能代の鯱流しの夜に ネブタの起源伝承 10 不意に、埋もれた記憶が黄昏の底に甦る 秋祭りの遠野にて 修験とオシラサマ オシラサマ遊び 11 北からの呼び声に、いま岩谷の扉が開かれる オシラサマの古層へ オナカマという巫女 ある研究者との出会い 12 箕を携えた姫が、大同の庭に降り立った 箕作りのむらにて 次年子、もうひとつの歴史 お里姫の伝承 13 さらば芭蕉、と囁きかける川風を聴いた 遊女としての東北 語られざる東北へ 川の民の村から 14 雪の野づらに、木地屋の夢が紡がれる 漆器の町・川連にて 木地屋という問題 こけし起源譚をめぐって 15 たちのぼる煙の下に、山の人生が転がっていた ある炭焼きの人生 雪国の春の底に 木地屋の移住史へ 16 なめとこ山の夜、熊たちの祭りがはじまる 小国の熊祭りを訪ねて 東北のマタギとアイヌ なめとこ山の思想 断章 呟きの声、とりあえずの終わりに 宛て先のない手紙 稲の呪縛からの解放 ひとつの種族/ひとつの習俗 エピローグ あすの東北学のために 東北から/いくつもの日本へ 北へ/北からの比較民俗学 東北学/あらたな知の地平に向けて 増補1 幻像としての常民 増補2 山師の子どもはやがて、山に還る 増補3 巫女になった夜に 増補4 樹をあるく旅から――タブの杜を訪ねて 増補5 旅と聞き書き、そして東北学 あとがき(『東北学へ1 もうひとつの東北から』) 講談社学術文庫版まえがき 岩波現代文庫版あとがき (版元サイトより)
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終わっていない、逃れられない〈当事者たち〉の震災俳句と短歌を読む
¥2,090
加島正浩著 文学通信 刊行 凄惨な出来事の「以後」を生きざるを得なくなった歌人や俳人たち――。その歌をささえるものはなにか? 平時に研鑽された〈よい歌〉を生み出す技法や基準が、災害時に機能しなくなったとき、俳人/歌人はどのように句や歌を詠むのか。 平時とは異なる状況におかれながらも、なぜ、句や歌を詠もうとするのか。句や歌を詠むことでどう〈被災〉を乗り越えようとしているのか。どのような言葉が生み出され、どのような思考が可能になったのか。〈被災〉時に歌を詠むことで何を訴えようとしたのか。 定型の表現を用いて俳人・歌人がどのように東日本大震災に対峙したのかを探る。付・震災歌集リスト/句集リスト。装画:金原寿浩「浪江の枝垂れ紅梅」。 忘れてしまったことすら忘れてしまう、私たちのための書。 【本書は、凄惨な出来事の「以後」を生きざるをえなくなった歌人や俳人に言及する。彼ら・彼女らは失った/失われつつある〈なにか〉と対峙しつづけている。彼ら・彼女らの「以後」の句や歌を支える〈なにか〉に関する本書の分析を通じて、この一三年間でなにが失われたのかを考察してもらえれば、幸いである。そこでの考察を基に、新たな震災「以後」の俳句や短歌が生まれれば、それに勝る喜びはない。】……「序章 東日本大震災は「普遍性」に回収できるのか」より 装画:金原寿浩「浪江の枝垂れ紅梅」 目次 序 章 東日本大震災は「普遍性」に回収できるのか 本書の目的/なぜ東日本大震災の特殊性に着眼するのか/東日本大震災は「当事者」だけが直面した問題か/失った感覚すら失ってしまう日常の前で 第一章 原発「事故」以後の問題とは何か ――東海正史『原発稼働の陰に』・佐藤祐禎『青白き光』 原発「事故」以後の問題とは/「以後」を生きさせられるということ/それでも原発と住む理由 第二章 「事故」以後の福島をどう捉えるか ――齋藤芳生『湖水の南』・市野ヒロ子『天気図』・駒田晶子『光のひび』 福島は「フクシマ」か?/見せたくないものばかりでも目に入る「以後」/福島の歴史のうえに「事故」があった/福島はいま福島に住んでいる人たちだけのものではない 第三章 警戒区域となったふるさとにどう関わるか ――三原由起子『ふるさとは赤』『土地に呼ばれる』 原発によって分断される〈ふるさと〉を詠む/誰かの傷をみながら、傷つき、詠うこと/型にはめられない多様さを詠う/あえて韻律をはずし、自分自身の「形」を作っていく 第四章 「事故」以後の福島に住むということ ――五十嵐進『雪を耕す』・澤正宏『終わりなきオブセッション』 『駱駝の瘤:通信』という文芸同人誌/曾根毅『花修』との比較から考える/「業界」を越境して考える/「土地の叫び」を聞いてきたのか/短歌が「歌集」になることの可能性 第五章 福島をどう語るか ――夏石番矢『ブラックカード』・中村晋『むずかしい平凡』・本田一弘『磐梯』『あらがね』 「フクシマ」は蔑称か?/「見えない」ものを詠まざるを得ない原発「事故」以後/〈被災地〉を語る言葉はどこから来ているか/言葉を鍛える必要性 第六章 「文学」は隠蔽する ――永瀬十悟『三日月湖』・小野智美編『女川一中生の句 あの日から』 誰が「事故」を引き起こしたのか?/絶望を「希望」で覆い隠す/「文学」にとって書く必要のないこと 第七章 東日本大震災は終わっていない ――逢坂みずき『まぶしい海』・梶原さい子『リアス/椿』・近江瞬『飛び散れ、水たち』・照井翠『龍宮』 「震災以後」を生きるということ/被災者にしか、住む者にしか、わからないこと/その鈍感さが〈忘れてもいい〉という言葉を呼び込む/死者が〈普通〉ではいさせない/震災に「関わってしまう」こと 終 章 忘れたふりをする人たちのために 「当事者」だけが死者に脅かされているのではないか?/選び取られた理由を探る―「原発忌」と「福島忌」について―/俳誌『浜通り』と〈フクシマ忌〉/〈フクシマ〉の表現を更新するために あとがきに代えて ■資料 震災歌集リスト 震災句集リスト 著者プロフィール 加島 正浩 (カシマ マサヒロ) (著) 富山高等専門学校一般教養科助教。 専門は日本の現代文学。研究対象は、東日本大震災以後の小説・戯曲・詩歌など。 名古屋大学大学院修了。博士(文学)。主要な論文として、「『非当事者』にできること―東日本大震災以後の文学にみる被災地と東京の関係」(『JunCture』8号、2017年3月)、「東日本大震災直後、俳句は何を問題にしたか ―『当事者性』とパラテクスト、そして御中虫『関揺れる』」(『原爆文学研究』19号、2020年12月)、「区域外避難者の〈孤独〉を詠む―原発『事故』以後の大口玲子の短歌に着眼して」(『名古屋大学国語国文学』114号、2021年11月)など。 https://researchmap.jp/kashima_masahiro
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元気のないおさむのにげにげ日記
¥1,870
著 元気のないおさむ 花伝社 刊行 「社会にはびこる不寛容、不正義、ままならなさ。それらをつぶさに反映し、生きる身体の記録」--少年アヤ推薦! 「精神障害」の「性的マイノリティ/クィア」に立ちはだかる日常の壁。トラウマ、パートナーとの関係、そして就労・社会保障……。ぐったり寝ながら、逃げながら、「生活」と「社会」改善をめざしてつづられた、真剣で、たまに笑える日々の記録。 性的マイノリティ・メンタルヘルスの問題から社会をみるコミックエッセイ&インタビュー 装幀:六月 (版元サイトより)