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はたらかないで、たらふく食べたい 「生の負債」からの解放宣言
¥1,760
SOLD OUT
著 栗原康 定価 本体1700円+税 四六判変型・224ページ ISBN978-4-907053-08-6 2015年4月 装丁 葛西恵 結婚や消費で自己実現? ウソだ! 豚小屋に火を放て! やりたいことだけをやってはいけない、 かせがなければいけない、買わなければいけない——負い目を背負って生きることを強いられる「生の負債化」が進行する現代社会。今こそ新自由主義の屈折した労働倫理から解き放たれるとき! 笑いながら溜飲が下がる、トンデモなさそうで腑に落ちる、この新しい読み心地は何? 『大杉栄伝ー永遠のアナキズム』で第5回「いける本」大賞受賞、気鋭の政治学者による爆笑痛快現代社会論 目次 キリギリスとアリ ―― はたらくこと馬車馬のごとく、あそぶこと山猿のごとし 切りとれ、この祈る耳を ―― 耳切り一団 3・11になにをしていたか? ――とうとう江戸の歴史が終わった 豚小屋に火を放て ―― 伊藤野枝の矛盾恋愛論 甘藷の論理 ―― うまい、うますぎる! 地獄へ堕ちろ ―― ヘイトスピーチか、それともスラムの念仏か 他人の迷惑かえりみず ―― 心得としての高野長英 お寺の縁側でタバコをふかす ―― 大逆事件を旅してみれば 豚の足でもなめやがれ ―― もののあはれとはなにか? 大杉栄との出会い ―― 赤ん坊はけっして泣きやまない ヘソのない人間たち ―― 夢をみながら現実をあるく 反人間的考察 ―― 歴史教科書としての『イングロリアス・バスターズ』 豚の女はピイピイとわめく ―― 老荘思想の女性観 だまってトイレをつまらせろ ―― 船本洲治のサボタージュ論 *電子書籍版はこちら 栗原康(くりはら・やすし) 1979年埼玉県生まれ。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。著書に『G8 サミット体制とはなにか』(以文社)、『大杉栄伝—永遠のアナキズム』(夜光社)、『学生に賃金を』(新評論)がある。趣味は、ビール、ドラマ観賞、詩 吟。あと、錦糸町の河内音頭が大好きだ。「踊ること野馬のごとく、騒がしきこと山猿に異ならず」。それが人生の目標だ。
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愛と差別と友情とLGBTQ+
¥2,860
著者:北丸雄二 出版社:人々舎 四六判 縦188mm 横128mm 重さ 400g 448ページ 並製 世界を知り、無知を知り、人間を知る。 偏見を助長してきた言葉や文脈を更新し、日本で流通してきた「LGBTQ+」情報の空洞を埋める希望の書。 彼らは世界で何が起きているのかをほとんど知らない。日本で流通している日本語だけの情報で満ち足りて、そこから出ることも、その外に世界が存在することも考えていない。日本の世間は日本語によって護られているつもりで、その実、その日本語によって世界から見事に疎外されているのだ……。 ──第4章「クローゼットな言語」より 〈推薦文〉 頭が沸騰した。アメリカの「LGBTQ+」百年の歴史の豊饒を受け止めた著者の目に、すべての私たちの未来が映っている。 ──池田香代子(翻訳家) どのような過去が、現在を作り上げてきたのかーー。蓄積と切り離された、安易な現状肯定は、手痛い揺り戻しを招きかねない。日本とアメリカを行き来し、各コミュニティの内と外を見てきたジャーナリスト。彼だから描ける、歴史と、その先。 ──荻上チキ(評論家) この本にあふれる愛は、日米を問わぬ遍きマイノリティへの讃歌でもある。小さき者たちがこの半世紀、歯を食いしばってクリエイトしてきた歴史や文化を再発見した。 ──津山恵子(ニューヨーク在住ジャーナリスト) 以前、島根県隠岐之島に歌いに行った時に頂いた小学生からの手紙に、「うまれてはじめてオカマさんをみました」と書かれていた。その時感じた素直さと違和感。その間を埋めるものがこの本にはある。 ──中村 中(歌手・役者) 本書は厳密な意味で、「ゲイ」の歴史学であり、社会言語学であり、政治学であり、社会学であり、哲学だ。一つの視座から捉え切れない全体性を描き出している。最後に著者は当事者として一つの公式に到る。恋愛=ヘッセ的友愛+贈与としての性行為。友愛の力を欠けば、恋愛を持続することも差別せずにいることも不可能だ──僕は全面的に賛同したい。 ──宮台真司(社会学者) 目次 はじめに プロローグ 第一部 愛と差別と──言葉で闘うアメリカの記録 第一章 「ロック・ハドソン」という爆弾 第二章 エイズ禍からの反撃 第三章 エイズ禍への反撃 第四章 クローゼットな言語 第五章 カム・アウトする言葉 第六章 アイデンティティの気づき 第七章 アイデンティティの誕生と「政治」 第八章 「ミレニアル世代」から「Z世代」へ 付録Ⅰ ストーンウォール50周年記念「ワールド・プライド/NYCプライド・マーチ」2019リポート 第二部 友情と「LGBTQ+」──内在する私たちの正体 第九章 「男と女」と「公と私」と 第十章 「男と女」と「公と私」と(2) 第十一章 男らしさの変容 第十二章 真夜中のホモフォビア 第十三章 「We Are Everywhere!」 第十四章 ホモソシアル、ホモセクシュアル、MSM 第十五章 セクシュアルの可能性 付録Ⅱ 『君の名前で僕を呼んで』考 おわりに 前書きなど 二〇一八年七月、自民党衆議院議員・杉田水脈の「LGBTは生産性がない」発言がありました。私の「違和感」はしかしむしろ、それをたしなめてテレビ朝日のコメンテイターが言った「今はもうそういう時代じゃないんだから」に関してでした。「LGBT」なる言葉が主流メディアで肯定的、同情的に登場してからたかだか数年──その間のいつ、「もうそういう時代じゃな」くなったのか? それは本当なのでしょうか。 ──「はじめに」より一部要旨抜粋 版元から一言 人はなぜ差別をするのでしょうか。 私(人々舎・代表)は、あらゆる差別の根源にあるのは、無知なのではないかと思っています。 人間はどんな人でも、生まれた瞬間から死ぬまで、 その人が、その人であっていい、あるいは、その人でなくたっていい。 何より、その人自身が選んでいいはずなのではないでしょうか。それが、基本的人権なのだと理解しています。 私たちは知らず知らずのうちに、言葉を、文脈から離れて内面化しがちです。 とくに日本語は、守られている壁が多い。 文脈を知る機会がないから、知らないうちに使わされている言葉に気づかないのです。 この本では、LGBTQ+、性的少数者、について論じていますが、 果たして、少数者、多数者、マイノリティ、マジョリティ、という括りは、 文脈を見ていったときに、どういう意味合いを持つのでしょうか。 著者は、ジャーナリストの北丸雄二さん。 90年代から約25年、激動のニューヨークで、エイズ禍の只中を生き抜いてきました。 北丸さんの中にある言葉は、日本語と英語です。 つまり、日本を内側からも外側からも見ることができる言葉を持っています。 なぜ私たちは差別をしてしまうのか、 この本を読むと、マジョリティとかマイノリティとか多様性とか、 あやふやなまま使用してきた言葉が、クリアになります。 控えめに言って、 ここまで言語化された本はなかったのではないかと思います。 著者プロフィール 北丸 雄二 (キタマル ユウジ) (著) ジャーナリスト、コラムニスト。毎日新聞をスタートに、東京新聞(中日新聞社)社会部を経て1993年よりニューヨーク支局長。96年夏に退社して独立、ニューヨーク在住のまま執筆活動を続ける。在米25年の2018年に帰国。東京を拠点にTBSラジオやJ-Wave、FM TOKYO及びネット番組「デモクラシー・タイムズ」などでコメンテーターやニュース解説を行う。東京新聞毎金曜に時事評論『本音のコラム』連載。日米政治や社会・文学評論のほか、英米翻訳も多数。訳書に外交『カーター、パレスチナを語る:アパルトヘイトではなく平和を』(Jimmy Carter、共訳)、文学『フロント・ランナー』(Patricia Nell Warren)、『スイミングプール・ライブラリー』(Alan Hollinghurst)、『ノーマル・ハート』(Larry Kramer)のほか、『ヘドウィグ&アングリー・インチ』『ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー』などブロードウェイの日本公演台本も多数翻訳。本書執筆前には『LGBTヒストリーブック 絶対に諦めなかった人々の100年の闘い』(Jerome Pohlen)も翻訳。
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魔女だったかもしれないわたし
¥1,540
著者:エル・マクニコル / 櫛田理絵 訳 出版社:PHP研究所 発売日:2022年08月16日 判 型:四六判上製 ISBN:978-4-569-88064-8 スコットランドの小さな村で、二人の姉と両親と共に暮らす自閉の少女・アディ。昔、「人とちがう」というだけで魔女の烙印を押され命を奪われた人々がいることを知ったアディは、その過ちの歴史を忘れぬよう村の委員会に慰霊碑を作ることを提案するのだが……。 「わたしも魔女にされていたかもしれない――」魔女として迫害されていた人たちのなかには、自分のような人が含まれていたのではないだろうか……? 先生や友だちからの偏見、自閉的な姉からの理解と、定型発達の姉との距離、人とのちがいを肯定的に捉える転校生との出会い……。「魔女狩り」という史実に絡めて多様性の大切さを訴えつつ、ニューロダイバーシティの見地から自閉の少女の葛藤と成長を描いた感動作。 (版元サイト)
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エブリデイ・ユートピア
¥2,970
トマ・ピケティ絶賛! ユートピアは夢物語ではない。プラトンから現代まで、多様な共同体の豊富な実例を参照しながらより幸福な暮らしのあり方を考える、閉塞感に満ちた時代の希望の一冊。 著者紹介 クリステン・R・ゴドシー (ゴドシー,クリステン・R) ペンシルベニア大学教授(ロシア・東欧学学科長)。2012年にグッゲンハイム・フェローを獲得。記事や論説は世界25か国語以上に翻訳され、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ミズ・マガジン、ディセント、フォーリン・アフェアーズなど国内外の多数の紙誌に登場。これまでに11冊の著書があり、話題作『あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない』は15か国語で翻訳出版された。 高橋 璃子 (タカハシ リコ) 翻訳家。京都大学卒業、ラインワール応用科学大学修士課程修了。訳書にゴドシー『あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない』、マルサル『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』、ノーデル『無意識のバイアスを克服する』、バークマン『限りある時間の使い方』、マキューン『エッセンシャル思考』など多数。 (版元サイトより)
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新版 レミは生きている
¥924
SOLD OUT
ぼくは「日本人」じゃない? 生涯「混血児」を救い続けた文学者の青く切ない自伝小説。 今こそ読みたい名著復刊! 解説 平野レミ、下地ローレンス吉孝 判型:文庫判 ページ数:304 著者:平野威馬雄 ちくま文庫 (版元サイトより)
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ぼくもいくさに征くのだけれど 竹内浩三の詩と死
¥796
映画監督を夢見つつ23歳で戦死した若者が残した詩は、戦後に蘇り、人々の胸を打った。25歳の著者が、戦場で死ぬことの意味を見つめた大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。 著者:稲泉連 版元:中央公論社 初版刊行日2007/7/25 判型:文庫判 ページ数352ページ (版元サイトより)
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【児童書】シーリと氷の海の海賊たち
¥2,530
フリーダ・ニルソン・作 よこの なな・訳 A5 ・ 上製 ・ 366頁 10歳のシーリは、海賊船にさらわれた妹ミーキを取り戻すための旅に出る。海賊たちとその親玉シロガシラを追って氷海をめぐるなか、シーリは自然の厳しさだけではなく、過酷な状況でくらす人びとがほかの生き物をこき使ったり、弱者を押しのけたりするような、世界の問題にも立ち向かっていく。骨太なファンタジー。 (版元サイトより)
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欲望の鏡 つくられた「魅力」と「理想」
¥1,980
リーヴ・ストロームクヴィスト(著/文・イラスト) よこの なな(翻訳) 花伝社 「なりたい自分」を求めてSNSを彷徨う現代人を描く! “多様”な人生が当たり前に映し出されるネット時代、 「美しさ」「魅力」「欲望」はどこからきて、これからどこへ向かうのか? スウェーデン発のグラフィックノベル 世界で最も読まれている作家の、「美しさ」をめぐる哲学的コミック! 目次 鏡の前の女の子 レアのブサイクな目 亡霊のような痕跡 白雪姫の母 暴君のような絵 参考文献 作者・訳者略歴 訳者解説 著者プロフィール リーヴ・ストロームクヴィスト (著/文 | イラスト) Liv Strömquist 1978年生まれ。スウェーデンを代表する漫画家、文化人。ほかの著作に『禁断の果実──女性の身体と性のタブー』(相川千尋訳、花伝社、2018年)、『21世紀の恋愛──いちばん赤い薔薇が咲く』(よこのなな訳、花伝社、2021年)など。多くの作品が舞台化されている。 よこの なな (翻訳) 1977年生まれ。90年代半ばと2000年代初めにスウェーデンの地方都市でスウェーデン語や社会科学を学ぶ。
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自閉スペクトラム症の人たちが生きる新しい世界 Unmasking Autism
¥2,750
デヴォン・プライス 原著 堀越 英美 翻訳 2024年07月22日 A5・368ページ 米Amazon高評価★★★★★1,600件以上 社会に適合するために無理に「普通」を装い、自分を見失っている方へ 本当の自分を見つけて、自分らしく生きるための本! 原題の「アン・マスキング(Unmasking)」とは、自閉症的な特徴を隠し、社会に適合するために表面的な仮面を取り去るという意味。 自らが当事者であり、そのことに誇りをもつアメリカの若手社会心理学者が、自身の体験をベースに自閉スペクトラム症の人々が自分自身を受け入れるまでの過程を描きだします。 ・ASDだけでなく、発達障害で苦しむすべての人に読んでもらいたい1冊 ・自分に自信を持つための書き込み式エクササイズつき 【第一章】ASD(自閉スペクトラム症)とは何か ASDのバーンアウト(燃え尽き)/ASDの神経学的側面/ASD者は危険にさらされている/ASDは多様である/なぜASDといえば「鉄道好きの白人少年」なのか/ASDの推奨用語・非推奨用語 【第二章】どういう人が仮面ASD者になるのか? 「女性のASD」によく見られる特徴/言語能力が高く、外向的なASD/「高機能」なASD/仮面ASD者との出会いとコミュニティで居場所を見つけるということ 【第三章】仮面の研究 切り替えが難しい―クリスタルの場合/オタク趣味を隠して強く見せる―ティモテウスの場合/「大人」のふりをする/「お行儀良く」することによる二重の苦しみ 【第四章】仮面がもたらす犠牲 ギフテッドの期待から逃れたくて―ドリアンの場合/「ロボット」のようになりたい/解離―脳内自分ワールドに入り込む/デジタルの世界に逃避/メディアが作るASD=「ムカつく天才」というイメージ 【第五章】ASDをとらえ直す ASDのステレオタイプを再構成する/ASDの特性を肯定的に言い換える/敏感さが仕事に役立つ/ピート・バーンズが好き―クララの場合/特別な興味の効用/自分の価値観を再発見する 【第六章】ASDに合わせた生活を構築する 成功したインフルエンサーの素顔/ASDの感覚に合わせてインテリアをデザインする/特別な興味に没頭して回復する/ペースを落とそう/自分の好きなことを、自分なりの形で 【第七章】ASDらしい人間関係を育む 他人からの否定的な反応にひるまない/自己開示が合理的なのはどのような場合か/仮面を外した友情を育む/本当に優しい人を遠ざけない 【第八章】ニューロダイバーシティを世界に広げるには 必要なのは社会の変化/障害者に対する法的保護の拡大/神経多様性に関する公教育・専門教育の拡大/だれもが仮面を外せる世界に
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【絵本】ぼくらにできないことはない
¥1,760
エーヴァ・リンドストロム・作 よこの なな・訳 岩波書店 宇宙船にのってやってきたぼくら。いっしょに乗れたのは、ママと大好きな犬のキングだけ。パパはここにいない。遠いところで、パパはどうしてるのかな・・・・・・。家族とはなればなれになってしまった2人の、少し切なくておかしな日常。自分を信じる勇気をくれる、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞作家が描く希望の絵本。 ■推薦の言葉 ぼくが今、あこがれる作家がいるとしたら、まちがいなくエーヴァ! 今とこれからをきちんと描いているから。 エ-ヴァの絵にはいたずらなこどもの目線と落ちつきはらった色の配置があって、一見、静かだけど、こどもが放つそのもののエネルギーを感じるんです。 ──荒井良二 宇宙船でやってきたふたりは「ぼくらはかんぺき、それしかない」「ぼくらにできないことなんてない」ときっぱり言います。元気にそう思えるとき、そんな気持ちになれないとき、そう思わなければ前を向けないとき。だれもがそんな瞬間を毎日くりかえしながら生きていることを、まっすぐに見つめてえがいた物語のような気がしています。ぼくらのことを知る手がかりも、絵の中にちりばめられています。読むたびに新しい発見があるかもしれません。 ──よこのなな(訳者) (版元サイトより)
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恋愛しない私でも「源氏物語」は楽しめますか
¥1,980
西原 志保(著/文) 発行:春秋社 四六判 248ページ 華々しい恋愛物語だけが『源氏物語』じゃない!!! 光源氏の妻でありながら、恋愛に消極的なことから「幼い」「空虚」な人物とされてきた女三の宮。しかし、アセクシュアル・アロマンティックなど様々な性のあり方があることからも分かるように、恋愛しないことが未熟や空虚であるということを意味しません。 現在でも、恋愛してないとプライヴェートが充実していないと見なされたり、恋愛から人間の内面を読み解こうとしたり、恋愛中心の人間観がいまだに浸透しています。 ヘテロセクシュアルの男女を前提とする近代の価値観を相対化し、『源氏物語』『紫式部日記』などの古典文学に加え、現代のドラマや漫画を読み直すことで、現代に生きる人々のセクシュアリティやアイデンティティ、仕事とプライヴェートの境界、家族・結婚や親密圏のあり方などの問題を解きほぐしていきます。 装幀:高木達樹 装画:カシワイ 目次 まえがき はじめに セクシュアリティとアイデンティティ 物語と「作者」 物語と文化的背景 平安時代の「セクシュアリティ」は多様だったのか 古典作品を現代的な観点から読むこと セクシュアリティとアイデンティティ 「セクシュアリティ」や「アイデンティティ」のようなもの 身と我 平安時代の身と心 現代における身と心 恋はプライヴェートではない 「女流日記文学」と「私小説」 一人称「私」と公/私の布置 仕事と公/私 「内面」という言葉 アクチュアルなものとしての古典 第1章 仕事で恋愛をすること――現代におけるセクシュアリティとアイデンティティ 1 はるな檸檬『ダルちゃん』 内面と擬態 擬態と仕事 仕事と恋愛 アロマンティック・アセクシュアルにとっての仕事とプライヴェート オフィシャルなプライヴェート 商品化されない自己の領域 2 『逃げるは恥だが役に立つ』の仕事とプライヴェート みくりにとっての感情と仕事 『逃げ恥』の新しさと古さ 3 『恋せぬふたり』における「家族」 セクシュアリティの物語 仕事と「好き」 「好き」を仕事に全振りしてしまったら、プライヴェートに何が残るのか 「好き」ではないプライヴェートとしての「家族」 現代におけるセクシュアリティとアイデンティティ 第2章 心と体で分けられた自己――『源氏物語』のアイデンティティ 『源氏物語』のあらすじ 恋愛しない女三の宮 「内面」のように見えるもの 『源氏物語』の「身」と「心」 「我は我」 「同じ心」と「我は我」 同じ心 「心を分く」 宇治十帖のあらすじ 宇治十帖における「同じ心」 『源氏物語』のアイデンティティ 第3章 融合する身体――宇治十帖のアイデンティティ① はじめに 分身 薫の「身を分く」 身を分けた相手に心を譲る 「身」と「衣」 同じ枝 同じ身 和歌表現「同じ身」 「身を分く」から「同じ身」へ 身ども おわりに 第4章 浮舟の変身――宇治十帖のアイデンティティ② はじめに 浮舟の最後の歌 「かはれる身」 『落窪物語』の「変はらぬ身」と裁縫 身代わりとしての衣 浮舟と分身 「魂」と「もののけ」 浮舟ともののけ 浮舟の魂 我にもあらず 「我は我」 おわりに 第5章 セクシュアリティを自認しない世界――『源氏物語』のセクシュアリティ 女三の宮の「セクシュアリティ」 末摘花のセクシュアリティ 宮の御方の結婚拒否 宮の御方のセクシュアリティ 「女」であることの無自覚 「女の身」意識 『源氏物語』研究とジェンダー 「女にて見たてまつらまほし」 小君との関係 須磨巻のホモソーシャリティ 六条院は異性愛の帝国か――ポリアモリーについて 最小の結婚 男女における規範の差 ポリアモリーとアセクシュアル、アロマンティック 第6章 作者と作品を結びつけること――紫式部のセクシュアリティ 1 紫式部は「同性愛者」だったのか 『紫式部日記』と『紫式部集』 「エス」と『紫式部集』 「つがひし鴛鴦」と同僚への愛 少女たちの享受 2 「紫式部」の恋愛 物語と作者 『紫式部集』四番歌、五番歌 「性愛」の意味 3 水の上の戯れ 『紫式部集』冒頭部分 水底の交流 水の上の戯れ おわりに おわりに 著者プロフィール 西原 志保 (ニシハラ シホ) (著/文) 東北大学文学部・大学院文学研究科現代日本学専修助教。博士(文学)。 1980年香川県生まれ。2009年3月、名古屋大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。名古屋大学高等教育研究センター研究員、国立国語研究所研究員、共愛学園前橋国際大学非常勤講師などを経て、2022年10月より現職。単著に『『源氏物語』女三の宮の〈内面〉』(新典社新書、2017年)、近年の論考に「自然/人工と生殖:『源氏物語』における動物と人形」(『文学・語学』235号、2022年8月)、「『恋せぬふたり』におけるインターセクショナリティと「家族」」(『物語研究』24号、2024年3月)がある。 もともとの専門は平安文学だが、恋愛や生殖に忌避的な女性の感性に注目し、日本近現代文学・文化も対象とする。現在の研究テーマは、動物・植物・人形表象。 (版元サイトより)
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文体の舵をとれ ル・グウィンの小説教室
¥2,200
アーシュラ・K・ル=グウィン(著/文) 大久保ゆう(翻訳) 発行:フィルムアート社 四六判 256ページ 技巧(クラフト)が芸術(アート)を可能にする 『ゲド戦記』『闇の左手』のアーシュラ・K・ル=グウィンによる小説家のための手引き書 「芸術には運もある。それから資質もある。それは自分の手では得られない。ただし技術なら学べるし、身につけられる。学べば自分の資質に合う技術が身につけられる。」(本書「はじめに」より) ハイファンタジーの傑作『ゲド戦記』や両性具有の世界を描いたフェミニズムSF『闇の左手』などの名作を生み出し、文学史にその名を刻んだアーシュラ・K・ル=グウィン。 本書は、ル=グウィンが「自作の執筆に励んでいる人たち」に向けて、小説執筆の技巧(クラフト)を簡潔にまとめた手引書である。 音、リズム、文法、構文、品詞(特に動詞、副詞、形容詞)、視点など、ライティングの基本的なトピックを全10 章で分かりやすく解説。 各章には、ジェイン・オースティンやヴァージニア・ウルフ、マーク・トウェイン、チャールズ・ディケンズなど偉大な作家が生み出した名文が〈実例〉として収録され、ル=グウィン自身がウィットに富んだ〈解説〉を加えている。また章末に収録されている〈練習問題〉を活用することで、物語のコツと様式について、自らの認識をはっきりと強固にすることが可能になる。 小説の執筆は、技芸(アート)であり、技巧(クラフト)でもあり、物作りでもある。 執筆の楽しみを満喫することができる一冊。
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ユートピアとしての本屋
¥1,870
著者:関口竜平 出版社:大月書店 四六判 256ページ ISBN:978-4-272-33111-6 たった一人で独立書店を立ち上げ、反差別をかかげた果敢な発言でも注目される「本屋lighthouse」の若き店主による単著。知への信頼が揺らぐ時代に、誰もが生きられる空間をつくるための実践と思考の書。 [目次] はじめに 1 本屋になるまでの話 2 メディア/クリエイターとしての本屋 3 ひとりの人間としての本屋 4 本屋にとっての反ヘイト・反差別とは 5 差別は道徳では解決しない 6 出版業界もまた差別/支配構造の中にある 7 セーファースペースとしての本屋 8 教室としての本屋 9 ユートピアとしての本屋 おわりに (版元より)
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ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義
¥1,540
【緊急出版!ガザを知るための「まず、ここから」の一冊】 2023年10月7日、ハマース主導の越境奇襲攻撃に端を発し、 イスラエルによるガザ地区への攻撃が激化しました。 長年パレスチナ問題に取り組んできた、 パレスチナ問題と現代アラブ文学を専門とする著者が、 平易な語り口、そして強靭な言葉の力によって さまざまな疑問、その本質を明らかにします。 今起きていることは何か? パレスチナ問題の根本は何なのか? イスラエルはどのようにして作られた国? シオニズムとは? ガザは、どんな地域か? ハマースとは、どのような組織なのか? いま、私たちができることは何なのか? 今を知るための最良の案内でありながら、 「これから私たちが何を学び、何をすべきか」 その足掛かりともなる、 いま、まず手に取りたい一冊です。 本書は、10月20日京都大学、10月23日早稲田大学で開催された緊急セミナーに加筆修正を加えたものです。 ■目次■ ■第1部 ガザとは何か 4つの要点/イスラエルによるジェノサイド/繰り返されるガザへの攻撃/イスラエルの情報戦/ガザとは何か/イスラエルはどう建国されたか/シオニズムの誕生/シオニズムは人気がなかった/なぜパレスチナだったのか/パレスチナの分割案/パレスチナを襲った民族浄化「ナクバ」/イスラエル国内での動き/ガザはどれほど人口過密か/ハマースの誕生/オスロ合意からの7年間/民主的選挙で勝利したハマース/抵抗権の行使としての攻撃/「封鎖」とはどういうことか/ガザで起きていること/生きながらの死/帰還の大行進/ガザで増加する自殺/「国際法を適用してくれるだけでいい」 ■第2部 ガザ、人間の恥としての 今、目の前で起きている/何度も繰り返されてきた/忘却の集積の果てに/不均衡な攻撃/平和的デモへの攻撃/恥知らずの忘却/巨大な実験場/ガザの動物園/世界は何もしない/言葉とヒューマニティ/「憎しみの連鎖」で語ってはいけない/西岸で起きていること/10月7日の攻撃が意味するもの/明らかになってきた事実/問うべきは「イスラエルとは何か」/シオニズムとパレスチナ分割案/イスラエルのアパルトヘイト/人道問題ではなく、政治的問題 ■質疑応答 ガザに対して、今私たちができることは?/無関心な人にはどう働きかければいい?/パレスチナ問題をどう学んでいけばいい?/アメリカはなぜイスラエルを支援し続けるのか?/BDS運動とは何? ■付録 もっと知るためのガイド(書籍、映画・ドキュメンタリー、ニュース・情報サイト) パレスチナ問題 関連年表 著者・岡 真理 1960年生まれ。東京外国語大学大学院修士課程修了。在モロッコ日本国大使館専門調査員、大阪女子大学人文社会学部講師、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て、早稲田大学文学学術院教授。専攻は現代アラブ文学・第三世界フェミニズム思想。 (版元サイトより)
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海女たち
¥2,200
著者:ホ・ヨンソン 出版社:新泉社 "白波に身を投じる瞬間、海女は詩であった。 海に浮かぶ瞬間から詩であった。 海女は水で詩を書く。 風が吹けば風に吹かれるままに、雪が降れば雪の降るままに、体いっぱいの愛を込めて詩を書きつづる。 水に生きる海女たちの物語の中で、水を知らぬ生を生きている私をのぞきみることができないだろうかと思いました。 みずからを弱い存在であると思い込んでいる人びとに、限界を飛び越えてゆく彼女たちの勇気を、手渡すことができるかもしれないという思いもあるのです。 ――「日本の読者に手渡すささやかな息」より 聞こえないわからない痛みの記憶が確かにそこにあることを嚙みしめながら、女たちの語りえない記憶の標(しるし)を打ち込む言葉を紡いで、済州という島の記憶の地図を描きだすようにして歌うホ・ヨンソンの詩の世界の一端に、このとき私ははじめて触れた。 ——姜信子「訳者あとがき1」より 海女は水で詩を書く——。韓国済州島の詩人ホ・ヨンソンの詩集。日本植民地下の海女闘争、出稼ぎ・徴用、解放後の済州四・三事件。現代史の激浪を生き抜いた島の海女ひとりひとりの名に呼びかけ、語りえない女たちの声、愛と痛みの記憶を歌う祈りのことば。姜信子・趙倫子訳。"
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彼岸の図書館 ぼくたちの「移住」のかたち
¥2,200
著者:青木真兵・青木海青子 出版社:夕書房 本体2,000円+税 288頁/四六判・仮フランス装 185×135×22mm ISBN:978-4-909179-04-03 命からがらたどり着いた奈良県東吉野村でぼくたちが始めたのは、自宅を図書館として開くことだった――「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」という「実験」のはじまりとこれから ------ 古代地中海研究者の夫・真兵と、大学図書館司書の妻・海青子。夫婦そろって体調を崩した4年前、都会から逃げるようにして向かったのは、人口わずか1700人の奈良県東吉野村。大和の山々の奥深く、川の向こうの杉林の先にある小さな古民家に移り住んだ2人は、居間に自らの蔵書を開架する「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を開設します。 訪れるさまざまな人たちとの対話を重ねるうち、「ルチャ・リブロ」は単なる私設図書館を超え、山村における人文知の拠点へと発展していきます。 本書は、青木夫妻が移住を決意してから「ルチャ・リブロ」を立ち上げ、「土着人類学研究会」を開催しながら、現代社会の価値観に縛られない「異界」としての知の拠点を構築していくまでの「社会実験」の様子を、12の対話とエッセイで綴る、かつてない「闘う移住本」です。 ------ 【対談者】 内田樹(思想家・武道家)/光嶋裕介(建築家)/神吉直人(経営学者)/坂本大祐(デザイナー)/東千茅(耕さない農耕民)/太田明日香(ライター)/野村俊介(茶園経営)/小松原駿(蔵人)/鈴木塁(ウェブ制作) ------ 著者 青木真兵(あおき・しんぺい) 1983年埼玉県浦和市に育つ。人文系私設図書館ルチャ・リブロキュレーター。古代地中海史(フェニキア・カルタゴ)研究者。関西大学大学院博士課程後期課程修了。博士(文学)。2014年より実験的ネットラジオ「オムライスラヂオ」の配信をライフワークにしている。現在は、障害者の就労支援を行いながら、大学等で講師を務めている。奈良県東吉野村在住。 https://lucha-libro.net/ 青木海青子(あおき・みあこ) 1985年兵庫県神戸市生まれ。人文系私設図書館ルチャ・リブロ司書。約7年の大学図書館勤務を経て、夫・真兵とともにルチャ・リブロを開設。2016年より図書館を営むかたわら、「Aokimiako」の屋号で刺繍等でアクセサリーや雑貨を製作・販売したり、所々でイラストを描いたりしている。奈良県東吉野村在住。 https://ameblo.jp/cian55555/ ------ 「ひとり出版社」が出した「ふたり図書館」の話です。書物は商品ではなく、人が生きるための糧であるという古くて新しい知見が語られています。 ――内田 樹 理屈や理想を超えた日本の未来が、本書の対話から浮かび上がります。 ——堀部篤史(誠光社) 移住を選択した/検討する人の「思想的基盤」になりうる一冊だと思う。 ——中村勇亮(本屋ルヌガンガ) 経済成長を選ぶのか、共存の社会へと向かうのか。はざまの時代にあって身体感覚を取り戻すこの実験の意味は、大きいです。 ——高橋和也(SUNNY BOY BOOKS) (版元サイトより)
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目の眩んだ者たちの国家
¥2,090
"「どれほど簡単なことなのか。希望がないと言うことは。この世界に対する信頼をなくしてしまったと言うことは。」 ――ファン・ジョンウン 国家とは、人間とは、人間の言葉とは何か――。 韓国を代表する気鋭の小説家、詩人、思想家たちが、 セウォル号の惨事で露わになった「社会の傾き」を前に、 内省的に思索を重ね、静かに言葉を紡ぎ出す。 「私たちは、生まれながらに傾いていなければならなかった国民だ。 傾いた船で生涯を過ごしてきた人間にとって、この傾きは安定したものだった。」 ――パク・ミンギュ 「みんな本当は知っているのに知らないふりをしていたり、知りたくなくて頑なに知らずにきたことが、セウォルという出来事によって、ぽっかりと口を開けて露わになってしまったのだ」 ――ファン・ジョンウン 「私たちが思う存分憐れみを感じられるのは、苦痛を受ける人たちの状況に私たち自身が何の責任もないと思うときだけだ。」 ――チン・ウニョン 「「理解」とは、他人の中に入っていってその人の内面に触れ、魂を覗き見ることではなく、その人の外側に立つしかできないことを謙虚に認め、その違いを肌で感じていく過程だったのかもしれない。」 ――キム・エラン 「人間の歴史もまた、時間が流れるというだけの理由では進歩しない。 放っておくと人間は悪くなっていき、歴史はより悪く過去を繰り返す。」 ――キム・ヨンス ◎中島京子氏評「2018年の「この3冊」」(「毎日新聞」2018年12月16日) 《傾いた船に乗って沈もうとしているのは私たちだと感じている昨今、その苦しみを噛みしめながら書かれた言葉に打たれる。》"
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日本で生きるクルド人
¥1,760
"祖国での迫害と差別、逃れてきた日本での過酷な扱いと軋轢、政治と入管行政の狭間で翻弄される在日クルド人の今を追う。 日本国内に約2,000人、川口市を中心に埼玉県南部には約1,500人が暮らすといわれるクルドの人々。彼らは国を持たない最大の民族である。家や町中、ときには入管収容施設の面会室で、彼らの声に耳を傾けて書かれた記事から浮かび上がる彼らのライフヒストリー、現在の暮らしと心境、そして取り巻く環境。 毎日新聞で長期にわたり連載され、好評を博した「故郷遥か 川口のクルド人」を元に、記事に載らなかった言葉や新たな取材内容も盛り込み、書籍化した。"
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クルドの食卓
¥1,980
"日本に約2,000人が暮らすと言われるクルド人。トルコ国内での差別や迫害から逃れ、すでに四半世紀近い歴史を日本で積み重ねている。生まれた地から遠く離れた異国で、何を食べ、どう生きているのか。 「世界3大料理と言われるトルコ料理の多くは私たちの料理」と胸を張る「美食の街」のメニューの数々。サラダ・前菜、スープ、メインディッシュ、主食、スイーツ…、彼らが自宅で作る33のレシピをフルカラーで掲載している。 巻末には在日クルド人最新情報と女性たち・高校生から聞いた食事にまつわるエピソードを収録した。"
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シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々
¥1,320
著者:ジェレミー・マーサー 訳者:市川恵理 出版社:河出書房新社 文学と恋と人生――。パリ・左岸にある伝説のシェイクスピア&カンパニー書店に偶然住みつくこととなった、カナダから来た元新聞記者による回想記。本好きにはこたえられない奇跡の書店の物語。(版元紹介)
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tupera tuperaのアイデアポケット
¥1,760
著 tupera tupera アポ〜〜〜、こんなふうに絵本つくるの? 75の工夫と発想で、仕事も生活もユーモアあふれる日々に! 「主人公」「うんこ」「プレゼント」「おにぎり」「鉛筆」・・・アポ(アイデアポケット)さんがくりだす75のキーワードを入り口に、大人気クリエイティブユニットが創作のコツをたっぷり語ります。tupera tupera初の読みもの! 中川 すごく良いアイデアが出た時も、アイデアのタネ(ネタ)を一旦ポケットに入れておきます。 亀山 ポケットからすぐ取り出すタネもあれば、ガサゴソ探している時に、ぽろっと出てくるタネもある。 二人 何かを考える際のタネや、毎日がちょっとおもしろくなるヒントに! 目次 はじめに 1 絵本をつくろう――アイデア・本の知識・テクニック 2 仕事であそぶ 3 工作のコツ 4 参加が楽しくなる――ワークショップ・展覧会 5 日常にアクセント おわりに 著者情報 著: tupera tupera(ツペラ ツペラ) 亀山達矢と中川敦子によるユニット。2002 年より活動を開始する。絵本やイラストレーションをはじめ、工作、ワークショップや、商品、グッズのアートディレクションなど、様々な分野で幅広く活動している。 これまで手がけた絵本だけで50冊を数え、海外で翻訳出版されているものも多い。NHK Eテレの工作番組「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションも担当。ミシマ社からは、2020 年6 月に『パパパネル』を刊行。2019年に第1回やなせたかし文化賞大賞受賞。
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奇跡の本屋をつくりたい くすみ書房のオヤジが残したもの
¥1,650
著 久住邦晴(くすみ書房・店主) 「なぜだ⁉︎ 売れない文庫フェア」「中高生はこれを読め!」「ソクラテスのカフェ」……ユニークな企画を次々と生み出し、地元はもちろん、遠方からも愛された札幌・くすみ書房の店主。閉店後、病が発覚し、2017年8月末、他界。その著者の遺稿を完全収録。 生前、久住さんと親交の深かった中島岳志さん(東京工業大学教授)が解説を担当。 くすみ書房の「なぜだ!? 売れない文庫フェア」は、時代に対する痛烈なアンチテーゼだった。品切れ・絶版。本が死んでいく。そんな悪循環に、ユーモアを交えて切り込んだのが久住さんのチャレンジだった。(略)くすみ書房のフェアは、苦境に立つ人間に、常に寄り添っていた。しかし、久住さんは正義を振りかざさなかった。常に笑顔で、優しく、ちょっとした「おせっかい」を続けた。だから、くすみ書房は札幌の庶民に広く愛された。——中島岳志「解説」より 目次 まえがき――ミシマ社編集部 Ⅰ 遺稿 本屋のオヤジの日々是好日(仮) ・日本で一番有名な本屋に? ・地下鉄の延長で売上大幅ダウンに ・昭和二十一年創業の町の本屋 ・頑張るほど赤字に ・息子の病、そして死 ・「店を閉めることにしました」と社員に ・神田昌典氏の本との出会い ・「なぜだ⁉︎ 売れない文庫フェア」の誕生 ・店内で「朗読」のスタート ・「中学生はこれを読め!」スタート ・「ソクラテスのカフェ」オープン ・中島岳志さんとの出会い ・大型店がやってきた ・大谷地に移転することに ・琴似店、最後の日 ・大谷地店、スタート ・経営者を売り込むということ ・妻が病になる ・「高校生はこれを読め!」スタート ・「小学生はこれを読め!」スタート ・寄付を集める ・くすみ書房友の会への緊急募集 ・奇跡の本屋プロジェクト ・中学生、高校生売場の増設 Ⅱ 解説 くすみ書房という本屋があった 中島岳志 Ⅲ 補録 講演会草稿・1(二〇一三・六・二四 札幌市立高図書館連絡協議会) 講演会草稿・2(二〇一五・五・八 大曲中学校) 「西区に本屋を作ります」草稿 あとがき――久住絵里香 著者情報 著: 久住邦晴(くすみ書房・店主)(クスミクニハル) 1951年、北海道生まれ。1946年に父がくすみ書房を創業、1999年に後を継ぐ。読書離れに歯止めをかけようと、良書なのに売れ行きのよくない作品ばかりを集めた「売れない文庫フェア」などの試みが話題となる。「本屋のオヤジのおせっかい」と題し中高生に読んでほしい本を集めた「これを読め!」シリーズは道内各地の書店や他県にも広がった。2017年に肺がんのため死去。享年66。
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シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店
¥1,430
著者:シルヴィア・ビーチ/中山 末喜 訳 出版社:河出書房新社 文庫 ● 432ページ ISBN:978-4-309-46777-1 発売日:2023.03.07 ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』の出版者として名高いパリのオデオン街の小さな書店の女主人・シルヴィア・ビーチが綴る20世紀文学の舞台裏。 (版元より)
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「助けて」と言える社会へ
¥1,980
著者:大沢真知子 出版社:西日本出版社 判型:4-6 248ページ 並製 ISBN:978-4-908443-80-0 本書は、長年、非正規・ワーキングプア・ワークライフバランスなど、特に女性キャリア研究に打ち込んできた著者がさまざまな現場取材や研究プロジェクトで明らかになった問題と提言をまとめた野心作です。 コロナ禍でより顕在化した性暴力、男女不平等社会の実態 性暴力被害者の実態を社会に伝え、性暴力が生じるメカニズムを解明するとともに、性暴力のない社会を目指ために、私たち一人ひとりがどう取り組んでいくべきか……。 セクシャル・ハラスメントや性暴力問題に関心があったり、深刻な悩みを抱えている全ての人たちに強くお勧めします。 【目次】 はじめに 第1章 追い込まれる女性たち 1 女性を直撃したコロナ渦-DVとその実態 2 ドメスティックバイオレンス(DV)とは何か 3 コロナ下で増加するDV相談と「DV相談プラス」 4 DV被害者の支援 第2章 性暴力被害者支援のために 1 「性暴力救援センター 日赤なごやなごみ」の設立 2 長江美代子さんのお話 3 片岡笑美子さんのお話 4 なごみの活動からわかったこと 5 女性のための女性による相談会 6 共依存という問題 第3章 三万八三八三件の被害者から見えてきた性暴力の実態 1 性暴力とは何か 2 ある性被害者の証言 3 アンケート調査の結果から見えてきたこと 4 刑法の改正と今後 5 強姦神話と不十分な被害者への支援 6 声を上げた被害者たちによって変化が始まっている 第4章 職場における性暴力 1 セクシャル・ハラスメントの規制 2 増える就活セクハラ 3 実態調査の結果から見えてきたこと 4 NHKのアンケート調査の結果から見えたこと 5 男性の被害者の経験から見えてくるもの 6 セクハラは男性問題 第5章 男女不平等社会とDV・性暴力 1 平成は失われた時代だったのか 2 コロナ渦が浮き彫りにした男女不平等社会日本 3 性被害による社会的・経済的損失 4 幼少期の被害がその後に与える深刻な影響 5 「助けて」と言える社会へ あとがき 参考文献 付録 相談先一覧 著者プロフィール 大沢 真知子 (オオサワ マチコ) (著) 日本女子大学名誉教授。専門は労働経済学、女性キャリア研究。日本ペンクラブ女性作家委員会委員。東京都女性活躍推進会議専門委員。南イリノイ大学経済学部博士課程修了。Ph. D(経済学)。コロンビア大学社会科学センター研究員。シカゴ大学ヒューレット・フェロー、ミシガン大学ディアボーン校助教授、亜細亜大学助教授・教授を経て日本女子大学人間社会学部現代社会学科教授。 主な著書は『ワークライフバランス社会へ』(岩波書店、2006)『ワークライフシナジー』(岩波書店、2008)『ワーキングプアの本質』(岩波書店、2010)『妻が再就職するとき―セカンドチャンス社会へ』(NTT 出版、2012)『女性はなぜ活躍できないのか』(東洋経済新報社、2015)『なぜ女性は仕事を辞めるのか』共編著(青弓社、2015) 『21 世紀の女性と仕事(放送大学叢書)』(左右社、2018)『なぜ女性管理職は少ないのか―女性の昇進を妨げる要因を考える』共編著(青弓社、2019)等多数。 (版元サイトより)