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銘銘便り
¥1,800
『銘銘便り』は、一年を通した、写真と文の往復書簡です。 二人で始めてみたところ、他の誰かとも共有したくなって、2023年の秋には中間展を行いました。 本冊子は、その往復書簡を中間展以降も続け、更に再編したものです。 再編したのは、主に時間軸。 一連の流れで返事を送り合っていたのに、解釈を変えれば別の物語が見つかるのです。 不思議で、かつ当然、それのなんと楽しいことか。 こちらを手に取ってくださったあなたとも、そんな遊びができたなら。 <著者略歴> asobinotuduki 銘銘便りでは文を担当。 2021 年 9 月より『あそぶ/思考/感覚/そこにあること/受容を耕す/日常』などをキーワードとして、気の向くままに活動。 初めは、三重県津市にてインスタレーションとしての店舗を 2 年限定オープン。 その間、色々なイベントを開催し、店舗クローズ後も、哲学カフェやワークショップなどの形であそび続けている。 mizu__tama 銘銘便りでは写真を担当。 2021 個展 「とりをとりまし展」 津市大門ニネンノハコにて 2023 第73回みえ県展 写真部門 入選 「銘銘便り」 中間展 津市久居コミュニティハウスひびうたにて 2024 グループ展 「アナログルマチ」(第4回 歩く。見る。撮る。参加者作品展) 津市久居アルスプラザにて グループ展 HACCOA物語を書く講座【写真部門】受講生作品展 「窓の外」 津市久居HIBIUTA AND COMPANY にて 文芸誌「まちうた」6月号、9月号掲載
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窓の外
¥1,200
予定のない休日、カーテンの隙間から差し込む光の眩しさと暖かさ。 行きたい場所、やりたいこと、食べたいもの。 外での楽しい時間に思いを馳せながら、布団にくるまったまま日が暮れてゆく。 2024年夏にHIBIUTA AND COMPANYにて展示した作品「窓の外」。 本写真集は全展示作品に、この作品のきっかけとなった一枚を含む数点を加えてまとめたものです。 作者Webサイト https://mizutama.myportfolio.com/
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わかれについてのエトセトラ
¥800
「別れ話」という語からは「恋愛」が連想されがちだけど、「別れ」はどんな関係にも訪れる。その話をしたいし、聞かせてほしい。 小説、詩、エッセイ、手紙、ブックガイドetc etc……さまざまに語られる、恋愛”以外”の別れ話をあつめたアンソロジーです。 【収録作】 「冬生まれの、Mへ」そらしといろ(手紙) 「追ふ」佐々木紺(俳句・エッセイ) 「いつか地層の」平田有(詩) 「縦眼の王の国」くるくる(小説) 「ミサキの逃亡」正井(小説) 「椿堂念珠(略式36Ver.)」(磯崎愛) 「周囲から理解されにくい移籍をしたサッカー選手の推しを懲りずに推し続けている私の話」松本てふこ(エッセイ) 「残響を聞いている」わたぬき(エッセイ) 「別れ話のおはなし」みやさと(ブックガイド) 「なりたかったな」山中千瀬(短歌) 「ミュージック・ビデオ」穂崎円(短歌) 「さよならの断片、あるいは前世の記憶」柳川麻衣(エッセイ) 「コヨーテ」オカワダアキナ(小説) 「来世は貴方になりたいと」青葉える(小説) 【仕様】 2024年12月1日 発行 アンソロジー|B6|142頁|表紙用紙 ゆるチップ(そら)
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ロータス
¥1,700
誰かと生きてゆくこと、名づけられない関係を結ぶこと…… 「好き」という感情だけのつながりは、何故こんなにも儚いのだろう? 幼稚舎から大学まで一貫の名門・私立華胥女子学院を縁に蓮実と出会い、関わり、行き過ぎていった少女たちの連作七篇を収録。 【収録作】 ずっとこのまま、完璧に幸せなままで、いられたらいいのに―― 五月の晴れた日曜日、桃重は大学生になってから疎遠になっていた蓮実とピクニックに出かける。 かつての親密さを取り戻して二人で過ごした幸福な一日の終わりに、それでも不安になるのはなぜだろう? ――「ロータス」 「僕たちだけは変わらないでいよう」 少年どうしの純粋な友情に憧れる桐は、同級生・李里と親交を深め、OBの蓮実に惹かれて入った演劇部で理想の少年を演じることに熱中する。 永遠の友情を誓いあった桐と李里だが…… ――「リップスティックのL」 叶わない片想いの果てに失恋を繰り返し「修道院に入る」が口癖の菫子と、彼女を慕う後輩の紫苑。 ついに本気で神の花嫁への道を模索しはじめた菫子につきあって教会に通ううちに、菫子と一緒なら修道生活も悪くないと紫苑は思い始める。 ――「シスター」 ランジェリーを買うことに抵抗のある女子大生・ゆりのは、雑貨屋のような下着屋ブーケドゥリスで美人店員・桃重を通して彼女の友人・蓮実の家で「おとめ下着パーティー」をすることになる。 古い一軒家にひとりで住み、三十を過ぎて少年のような体つきの蓮実に、ゆりのは惹かれていく。 ――「リリイ」 「男装の麗人」はいつか必ず生身の女に戻るしかないのか? 美しい王子の姿のままで、幸せになることはできないのか? ライヴ会場で出会った蓮=蓮実に憧れてゴス・ファッションになり男装で通す茉莉花は、ロリータ男子の柊と結婚することでその答えを出そうとするが…… ――「トランスヴェスタイト/クロスドレッサー」 浮いた服装で、手の届かないミュージシャンに憧れて、自分だけがいつまでも取り残される…… 焦りと諦めを抱えている美桜が、結婚を控えた幼なじみの知映理に聞かされた意外な言葉。 2012年、あの震災から一年が過ぎた春の東京。 ――「ライフ・イズ・スパイラル」 母の茉莉花と大喧嘩し、親友・柘榴との関係も微妙で居場所がなくなった沙羅は、卒業生名簿を頼りに蓮実の家を訪ねる。 居候させてもらった古い一軒家の屋根裏で、深夜の浴室で、沙羅は意外なものを目にする。 柘榴の家には、柘榴が血の繋がった親よりも懐いている老女・桃重が暮らしていて…… ――「ロータス2」 【仕様】 2024年5月19日 新装2版発行 小説|文庫版(A6)|420頁|フルカラーカバー付
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本屋メガホンの営業日誌1
¥1,650
社会的マイノリティについて書かれた本をメインに取り扱い「小さな声を大きく届ける」ことをコンセプトに掲げる新刊書店「本屋メガホン」がメールマガジンにて配信している営業日誌を一冊にまとめたZINE。お店を運営する中で考えたことや、小さな社会運動として本屋を運営すること、それにまつわるモヤモヤなどについて。 “本誌を制作する過程で改めてこの1年間を振り返ってみると、パレスチナに連帯する大規模なデモに初めて参加したり、小さなデモを友人と企画したり、店内で読書会を継続的に開催したりと、パレスチナで起こる虐殺と民族浄化に対して、個人が運営する一書店としてどう抵抗できるか考え続け、実践し続け、そこから何を感じたか、という記録としても読めるかもしれません。”(「はじめに」より) “お客さんに、パレスチナ関連の本が多いですが関心がおありなんですか?と聞かれて、関…心……と思って一瞬フリーズしてしまった。「興味/関心がある」という言い方だったり、パレスチナ「問題」として自分とは関係のない外部にあるものとして他者化する言説に、最近なんとなく違和感を感じるようになってきて、この問いかけにもなんだかモヤモヤしてしまった。「われわれの」問題やろがい、という気持ちになる。”(「241006_営業日誌」より)
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ANAMNESIAC [アナムネージアック]
¥1,980
寄稿: 伊藤潤一郎 デザイン: 相島大地 推薦文:柴田元幸、川野芽生 編集・発行人: 岡田翔 発行:paper company サイズ:173x105mm ページ数:70p 言語:英・日 発行日:2024年11月30日 仕様:セミハードカバー|オフセット印刷 ISBN:978-4-911463-17-8 価格:1,980円(税込) 限定 1200部 スコットランド育ちの詩人が贈る、日常と記憶をめぐる探究の結晶。第一詩集『SAPERE ROMANTIKA』に続き、著者自身による英日バイリンガル構成の11×2篇を収録。静謐さと軽やかさが共存する時空間に、永遠の余韻が吹き抜ける。映画『PERFECT DAYS』の翻訳を手掛けた高田怜央が、詩の歴史の新たな1ページをめくる。 <収録詩> Before Time / 時の創られる前 Slower than light / 光よりもスロウ Turtle / カメ Bedtime stories / 眠れぬ夜のゆえに For Paul’s Friend / ポールの友人に 5:22am / 午前5時22分 Sometimes / ときおり AFTER YOU / あなたの跡 love to hear you speak, / ラヴ・トゥ・ヒア・ユー・スピーク、 A Ghost Ship / ゆうれい船 [ENCORE] Peach: After "Between Walls" by William Carlos Williams ピーチ:ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ「壁のはざま」に寄せて Sometimes Sometimes I forget but sometimes I know that life’s not time’s fool, nor the god’s, because when we are they’re not here, I stop my breath and swear. ときおり ときおり 忘れ ときおり 思い出す 命は時の愚者ではないと、 神にも触れられやしないと、 なぜって わたしたちがそろうと やつらは不在、 息を止めて誓うよ。 初出:「A Ghost Ship / ゆうれい船」(「FUTURE AGENDA [未来の議題]」他 二篇『ユリイカ』2023年3月号 より)、「Bedtime stories / 眠れぬ夜のゆえに」(連載『記憶の天窓』SIDE TRACK by TWO VIRGINS より)、「AFTER YOU / あなたの跡」(読売新聞 2023/11/24・夕刊 )ほか、全篇書き下ろし あとがき <寄稿文> 「風のひき算」伊藤潤一郎(哲学者) 著者プロフィール 高田 怜央 Leo Elizabeth Takada 詩人・翻訳家。英国スコットランド育ち、上智大学文学部哲学科卒。バイリンガル詩作および日英双方向の翻訳を行う。著書に第一詩集『SAPERE ROMANTIKA』、写真家・遠藤祐輔との共著『KYOTO REMAINS』、作家・川野芽生とのZINE『黎明通信』など。翻訳にヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS』、CHANEL 2023/24 Cruise Collection『TOMORROW ELECTRIC』、田口犬男「エミリー・ディキンスンからの電話」(MONKEY 英語版 Vol.5)など。NY派詩の訳書を構想中。 寄稿者プロフィール 伊藤潤一郎 Junichiro Ito 1989年生、千葉県出身。哲学者。新潟県立大学国際地域学部講師。著書に、『ジャン゠リュック・ナンシーと不定の二人称』(人文書院、2022年)、『「誰でもよいあなた」へ――投壜通信』(講談社、2023年)。訳書に、ナンシー『あまりに人間的なウイルス――COVID-19の哲学』(勁草書房、2021年)、カトリーヌ・マラブー『泥棒!――アナキズムと哲学』(共訳、青土社、2024年)など。
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黎明通信
¥1,650
詩と短編小説『黎明通信 [RAE-MAE SIGNALS]』 川野芽生 高田怜央 著 画像 海辺を散歩する小説家と、海辺に思いを馳せる詩人。 川野芽生と高田怜央が織りなす「海」の感触。 3点セット仕様: <本体冊子>A6サイズ/中綴じ製本/32p/表紙:特色印刷/本文:二色刷り/帯付き <蛇腹小冊子>112mm×80mm/外五つ折/帯付き <蔵書票 >名刺サイズ/表面:特色印刷 写真:川野芽生 編集:高田怜央 造本・デザイン:霧とリボン 発行日:2024年8月31日 価格:1,650円(税込) 限定 600部 小説家・川野芽生と詩人・高田怜央が「海」をモチーフに書き下ろした詩と短編小説のコレクション。本作では、川野による初の連作詩、高田による初の短編小説も収録。さらに幻のコラボレーション作品「竜胆に就いて/On Rindoh」を巻末に掲載。 収録作品 【詩】 花飛沫 Many Oceans [海たち] (足)(跡) Blue [ブルー] (貝)(殻) APPARITION メニュー Crying Blue [クライン・ブルー] そこに 最後のように 【短編小説】 難破船 TWILIGHT THEORY 【対話詩】 竜胆に就いて/On Rindoh 初出:川野芽生 × 高田怜央『奇病庭園』『SAPERE ROMANTIKA』W刊行記念トーク「文学はつねにすでに翻訳である」特典ペーパー(本屋 B&B、2023年) 著者プロフィール 川野 芽生 Megumi Kawano 小説家・歌人・文学研究者。1991年神奈川県生まれ。2018年に連作「Lilith」で第29回歌壇賞、21年に歌集『Lilith』で第65回現代歌人協会賞受賞。24年に第170回芥川賞候補作『Blue』を刊行。他の著書に、短篇小説集『無垢なる花たちのためのユートピア』、掌篇小説集『月面文字翻刻一例』、長篇小説『奇病庭園』、エッセイ集『かわいいピンクの竜になる』、評論集『幻象録』、歌集『人形歌集 羽あるいは骨』『人形歌集II 骨ならびにボネ』がある。2024年7月、第二歌集『星の嵌め殺し』刊行。 高田 怜央 Leo Elizabeth Takada 詩人・翻訳者。1991年横浜生まれ、英国スコットランド育ち。上智大学文学部哲学科卒業。詩作に、第一詩集『SAPERE ROMANTIKA』、対話篇 『KYOTO REMAINS』(遠藤祐輔 共著)、「FUTURE AGENDA [未来の議題]」他 二篇(『ユリイカ 』)、「AFTER YOU [あなたの跡]」(読売新聞)など。主な翻訳に、ヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS』、ジュリアン・ビアバン・レヴィ監督作 CHANEL 2023/24 Cruise Collection『TOMORROW ELECTRIC』がある。NY派詩の翻訳を構想中。 著者noteより引用
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inch magazine PocketStories 02 この星を離れた種族
¥1,210
短篇小説をポケットに―― というコンセプトで、東京を拠点とするインディペンデント・マガジンinch magazineがリリースする海外文学翻訳シリーズ「PocketStories」の第二弾として、邦訳は初となる韓国で今注目のSF作家、パク・へウルのショートショート「鉄の種族」と短篇小説「ゆりかご惑星」の二篇を収めた『この星を離れた種族』を刊行します。 今回刊行する『この星を離れた種族』のジャンルはCli-Fi(クライファイ=気候変動フィクション)。日本ではまだあまり馴染みがありませんが、世界のSF界で潮流となっている「気候変動+SF」です。 「鉄の種族」は、地球を離れた人類の痕跡を探査する地球外生物の視点で「報告書」という形を取りながら、なぜ人類がいなくなったのか、ユーモラスな誤解などを混ぜながら推察するというショートショート。 短篇小説「ゆりかご惑星」は清掃労働者の難民女性が家族の安全と引き換えに地球を離れ、ひとり開拓者として他の惑星を地球化(テラフォーミング=侵略化)する役割を担わされる物語。大きなテーマを捉えながら社会格差や環境破壊、差別に向き合い、ひとりの人間の小さな物語を描いており、イギリス製作で映画化も決定しています。 巻末にはSF書評家、橋本輝幸氏によるCli-Fiの歴史を解説する「気候変動SF小史」も掲載しています。 また、装画、挿画は滝口悠生『長い一日』、窪美澄『ははのれんあい』などでイラストを添えている松井一平氏によるアートワークです。 目次 鉄の種族 ゆりかご惑星 訳者解説 気候変動SF小史 橋本輝幸(SF書評家) ページ数 80 判型 W106mm×H184mm中綴じミシン製本 装丁 坂脇慶 著者プロフィール パク・へウル(著) 大学在学中であった2012年、『季刊文芸』の小説部門新人賞を受賞し、『ギパ(기파)』で2018年第3回科学文学賞長編部門大賞を受賞した。同年末、ムック誌『本日のSF#1』に短篇小説「希望を愛す(희망을 사랑해)」を掲載。2024年7月に初の短篇集『ゆりかご惑星(요람 행성)』が刊行され、表題「ゆりかご惑星」はイギリスで映画化が決定している。 廣岡孝弥(翻訳) 1981年富山県生まれ。『トトノイ人』をはじめ、リトルプレスの制作やサポート業に従事。2021年第5回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」にて『モーメント・アーケード』で最優秀賞を受賞。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン正会員。 装丁者プロフィール 坂脇慶 アートディレクター。1982年生まれ。紙媒体から映像、ウェブのディレクションなど領域を横断し活動。現在、雑誌『STUDIO VOICE』『PARTNERS』のアートディレクションを手がける一方、日々の仕事の中で生まれたアイデアを利用した“process”と題したグラフィックを制作している。keisakawaki.com
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inch magazine PocketStories01 生まれつきの時間
¥1,210
人類が一度滅亡したあとの世界。「成長センター」で目覚めたアルムはすでに十五歳だった。生殖能力をなくした人類を再生するプログラムで急速な教育とリハビリを与えられたアルムは、ある日センターを逃げ出すが……。 本書は、2022年4月に韓国のSF雑誌「The Earthian Tales」のNo.2「TIME TRAVEL with you」号で発表された短篇作品の翻訳版です。作者は日本に移住して15年、移民としての視点などを持ちながら韓国語でSF小説を書く作家です。2019年に韓国屈指のSF新人文学賞である第四回「韓国科学文学賞」の中短篇部門で『モーメント・アーケード』(2022年クオン刊)が大賞に選ばれてデビューしました。 本書が描く世界は大きなテーマですが、韓国で加熱する教育格差や世界で問題になるジェンダー格差など、様々な不平等を描きながら誰にも普遍的な物語になっており、男性読者が中心であった正確な論理的な科学技術に基づいた本格的ハードSFとは異なる、「少し不思議=SF」で現実社会と向き合う作品です。 本書の巻末には韓国に留学中で小説やエッセイなどを執筆するモデルの前田エマさん(「Hanako Web」など)と、「韓国SF小説が描くもの」について作者と対談しました。 格差やジェンダー問題などの現実社会の厳しさを韓国社会で見つめる役目として、文学や詩の重要性を民主化運動などを通して育んできた歴史のある韓国に現在、留学していて感じる視点から語っていただきました。 目次 生まれつきの時間 訳者解説 特別対談「韓国SFが描くもの」 前田エマ×ファン・モガ×廣岡孝弥 ページ数 80 判型 W106mm×H184mm中綴じミシン製本 装丁 坂脇慶 著者プロフィール ファン・モガ(著) 2006年に来日、東京在住。漫画家制作スタジオを経てIT企業で勤務しながら韓国語で執筆した『モーメント・アーケード』が2019年第4回韓国科学文学賞中短編部門で大賞受賞し、作家デビュー。邦訳された作品はほかに『透明ランナー』『スウィート、ソルティ』など。未邦訳に短篇集『夜の顔たち』、長篇作品『私たちが再び巡り逢える世界』『言葉なき者の声(仮)』などがある。 廣岡孝弥(翻訳) 1981年富山県生まれ。『トトノイ人』をはじめ、リトルプレスの制作やサポート業に従事。2021年第5回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」にて『モーメント・アーケード』で最優秀賞を受賞。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン正会員。 装丁者プロフィール 坂脇慶 アートディレクター。1982年生まれ。紙媒体から映像、ウェブのディレクションなど領域を横断し活動。現在、雑誌『STUDIO VOICE』『PARTNERS』のアートディレクションを手がける一方、日々の仕事の中で生まれたアイデアを利用した“process”と題したグラフィックを制作している。keisakawaki.com
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家父長制アンソロジー『父親の死体を棄てにいく』
¥1,500
【版元サイトより】 わたしたちの声が、沈黙に覆い隠されないように 家父長制に対するアンチテーゼとして、父親の死体を棄てにいく小説だけを集めた文芸アンソロジー。 【仕様】B6サイズ/302ページ/フルカラーカバー 【警告】本アンソロジーは「父親の死体を棄てにいく」ことを題材としたアンソロジーであり、一部の作品には以下の描写・表現が含まれます。 暴力、家庭内暴力、性行為、性暴力 該当作品には事前に注意書きを付しています。閲覧の際にはフラッシュバック等にご注意ください。 ≪収録作≫(敬称略) ●Sewing Pieces Together(落山羊) 「次のお話を探そう」とあなたがノートをめくり、わたしは首を横に振る。「探すのはお話じゃなくて、夢だ」。語られゆくいくつもの断章について。 ●平成バベルの塔(マルチョウ) 時はバブル。空前絶後のタワマン建設のため、あやこは立ち退きを拒む「毒島倉庫」の説得に赴く。「毒島倉庫」の社長毒島鏡子は、呪う女として知られているが――。 ●外の世界は雪(黒田八束) 二〇一九年、コロンビア。とある法が共和国大統領によって承認されたその年、死期を悟った「わたし」は行方不明の妹に向けて手紙を書きはじめる。 ●いまはリビングデッド(梶つかさ) 「『リビングデッドとは、隷属する死肉である』」――研究者であるアルバが「作った」のは、特異な子どものリビングデッドだった。 ●歩けよ象ども(オカワダアキナ) ある朝あたいが目を覚ましたら、三人のパパたちはプールの中で死んでいた。あたいは、パパたちの死体をどうにかしようと奮闘し、ついには育った島を旅立つ。 ●いずれフーリは地に満ちる(ピクルズジンジャー) 戦魔女のアジナは、依頼を受けかつてゲリラに占拠されていた廃村を訪れる。そこでアジナは、フーリと呼ばれるひとりの魔神の少女に出会うが。 ●おお、同胞よ、父の言葉よ(孤伏澤つたゐ) 信用できないことばを喋るとされた父の死骸を棄てに、一族で一番の蛇狩りの男は飛び立つ。 【試読】 https://xfolio.jp/portfolio/K_yatsuka/works/716654 装画:タママ八月/挿絵:せん
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光や風にさえ
¥1,000
筆者:八束 発行元:おざぶとん この物語は私の記憶を再構築したもので、「こうだったのではないか」── そして「こうであってほしい」という願いを織り交ぜている。 未亡人として貧しい暮らしを送りながら、日系移民の社会に息苦しさを覚えるナオミ。 あるとき船着き場に現れた2世の少女に導かれ、より生きやすい場所、新天地を目指して開拓地からの逃亡を図る。 事故の後遺症により夫に捨てられた少女、幽閉される先住民の女性、水上で生活する娼婦……。 異国での旅を通じて、ナオミは自身が生まれ持った困難と向き合っていく。 社会から透明化された女性たちをめぐる、「語り」の物語。 【試読】こちら B6サイズ/256ページ/カバー仕様、スピン製本 (版元サイトより)
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MiNoRi+ (ミノリト) 創刊号
¥1,600
『MiNoRi+(ミノリト)』は、ジェンダーマイノリティ/セクシュアルマイノリティを主題とした創作物(漫画・小説・短歌・イラストなど)を専門に取り扱う雑誌です。 『創作を安心して読める・発表できる場』を目指して有志の作家二人が発足した創刊号です。 ミノリトの理念に賛同した作家たちが、読者に寄り添い、ともに歩んでくれる、あたたかで力強い作品をお届けします。 【執筆作家(敬称略)/作品タイトル】 <漫画> イトノケイ / 『カナリアの歌う朝』 藤城まり子 / 『楽園』『彷徨える人へ』 澄川小歌 / 『あなたを聴く』 はち / 『線を引く』 百葉箱 / 『STAND BY(スタンバイ)』 <小説> 村野真朱 / 『虎態(とらなり)』 <短歌> ミキカオリ / 『眠る金曜』 <イラスト> 依田温 / 『プライド』 【媒体概要】 タイトル:MiNoRi+(ミノリト)創刊号 体裁:A5・228ページ(表紙4ページ込) 発行者:イトノケイ、藤城まり子 公式サイト:https://minorit.net/
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庄野潤三「五人の男」オマージュアンソロジー 任意の五
¥1,500
昭和の短編小説を通じて、男性性・父性を捉え直す。 庄野潤三「五人の男」から想起したものを自由に表現した文芸アンソロジーです。 クィアやプロテストへの言及が多い一冊になったのは、2024年のいま問い直されているのがそういうことなのだろうと思います。 男性性を利用してきたのは誰か。それに傷つけられてきたのは誰か。 わたしたちみんなではないのか。 気鋭の作家たちによる小説、論考、日記、俳句など。 原著を読んでいない方も楽しめる本だと思います。 [目次] 板垣真任「大合唱」 我那覇剛柔丸「波の五分(ごぶ)」 晋太郎「ペンタクル・サークル」 深澤元(つまずく本屋 ホォル)「読書メモ「五人の男」はなぜこの順番で並んでいるのか 」 宮月中「五人と鳥」 星野いのり「月の壜」 添嶋譲/宮崎竣輔「Profiles」 まさと「別れ—からかいは誰のもの—」 兼町ワニ太「動物園日誌」 隙間「うつわ日記」 暴力と破滅の運び手「悪魔の抱擁」 オカワダアキナ「ホーン・ホーン・ホーン」 瀬戸千歳「まんまるくてかわいいおばけ」 B6/216ページ
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イサド住み
¥1,000
筆者:オカワダアキナ 発行元:ザネリ [本文より] おれは怖くてたまらない。おれにどうやら命みたいなものがあって生きているってこと、おれの体の隅から隅まで生き物で、心や記憶まであって、おれという生き物が死ぬまでずっと生きているってことが本当に怖いんだけどうまく言えない。怖い。べそべそ泣いている。おれの言いたいことわかるか。わかれよ。うまく言えなくてもわかってくれよ。あんたは怖くないのか。たまたますれちがった誰かの気まぐれな採点によりおれの発言の価値は決まってしまい、裁定はそうそう覆らない。おれは布団をかぶって絶望している。隠れている。おれの話は誰にも聞いてもらえない。 でも川と川が十字に交差しているところが好きだ。毎晩見に行く。十字の縦も横もとても静かで、川面に団地の明かりが揺れている。夜の運河は油膜を張っているみたいにとろりとして見える。流れているというよりあれはきっと震えている。実際、横軸の小名木川に流れはないようなものだ。隅田川と旧中川を結ぶ水路で、雨の後や風の強い日くらいしかはっきりした流れを見せないし、流れの向きもしばしば変わる。きっとここには始まりも終わりもない。 始まりも終わりもないけど階段がありエレベーターがある。扇橋閘門といって、二つの水門が並んでいる。閘門より東は海抜ゼロメートル地帯で、満潮時の海の高さよりも低い土地。川を遮断して水位を下げてあり、小名木川には段差がある。川底ではなく水面に作られた差。船が通るときは二つの水門の間に船を入れ、水位を上げ下げし、船は差を乗り越える。 夜の運河はにおいが濃い。潮のにおいとどぶのにおいが混ざって、三階のおれの部屋まで届く。水面にちらちら揺れる明かりは銀紙を丸めてまた広げたみたいな光で、夜の黒い水はそれらを飲み込もうとせず震えるだけ。水はとても静かだ。ねっとりと移動している。光もにおいも川の上にとどまっている。 トランス男性が主人公のボーイズラブです。 セフレのことが好きになっちゃったけど、セフレには既婚男性の"推し"がいて……という三角関係のお話。 言いたいことが言葉になる前の、唸りと遠吠えの物語。闘いの物語です。 イサドは宮沢賢治の『やまなし』に出てくる言葉で「もうねろねろ、あしたイサドへ連れて行かんぞ」のイサド。10万字くらい。 冒頭試し読み:https://oka-akina.tumblr.com/post/701066477234716672/ あとがきのようなもの:https://oka-akina.tumblr.com/post/701978022339903488/ (版元サイトより)
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顔たち、犬たち
¥1,200
よく聞けこれはおまえの話。おれの話。どっちでもいい。 ずるい男のずるい話。男性性の呪いについて。 家庭にも仕事にも不満はないが、ささやかな破滅願望を弄ぶように男と性的な関係を結ぶ。 待ち合わせてトイレの個室で抱き合うだけの関係だったムムくんにだんだん懐かれ、奇妙な友情を育んでゆき……。 性的なふれあいにより解放されるもの、いたわりあうこと。 装画:谷脇栗太 『イサド住み』https://okwdznr.base.shop/items/69303797 の関連作です(あまり続き物にはなっていません) B6カバー付き/176ページ/10万字くらい 試し読み:https://drive.google.com/file/d/1pA17srE8i8T44p-x95h6TkdwxjNDvNaV/view?usp=sharing
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リチとの遭遇
¥800
夜になると父たちは庭のプレハブ小屋に集まり麻雀をしていた。 おれはいつもじっと見つめていたが仲間に入れてもらえなかった。 それはおれが子どもだったからってだけではなく、きっと何かが足りなかった。 もしもあのときルールを教えてもらっていたら、おれにはもっとべつの人生があったのか? 「おれはちゃんとゲイっぽいだろうか。うまくやれているだろうか」 子どものころの思い出と働き初めてからの鬱屈。 学生で雀士のリチ君と知りあい、ちょっと変化が起きるものの……。 セクシュアリティの試行錯誤とコンプレックスの話です。 カバー(造形製作):えも 文庫版/72ページ/3万字くらい 試し読み:https://oka-akina.tumblr.com/post/718189909441134592/
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戦略などなかった
¥880
詩人・海老名絢さんのエッセイ集。 詩を投稿すること、詩集をつくること、「生活」からはじまる詩についてのエッセイと日記を収録。 目次 戦略などなかった 水無瀬のこと 旅が好き 出会いときっかけ 投稿欄とその後の話 詩集を作る 詩を書く道具 詩が「終わり」と言うまで 日記の抜粋(2022/10~2024/5)
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悠久のまぎわに渡り
¥1,540
著者:孤伏澤つたゐ 発行:ヨモツヘグイニナ 110ページ/B6 2024年9月8日刊行 人間が滅びに瀕し、鳥や生き物たちが絶滅から遠ざかった未来。 電柱で生まれたコウノトリの「わたし」は、旅に出る。オスと出会い、卵を生むことになれば多くの場合旅は終わる、と父母は言う。 湖に通うオオワシの媼、二羽のメスで子育てをするライチョウ、直立不動の同族を慕う海の鳥、――。 人間が滅びから遠ざけようとした鳥たちの痛み、そして、絶滅寸前の人間たちの修復の物語。
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浜辺の村でだれかと暮らせば
¥1,200
"「だれかと暮らす気、ない?」 漁村で漁師をやってるおれのところにやってきたのは、同い年の都会の男。 ひとづきあいが得意じゃなくて、村の役に立つような能力も持ってない……。 それでもおれたちは、この暮らしをいとなんでいく。 三重県・志摩の漁村を舞台にした物語です。"
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山梔の處女たち
¥1,300
著者:孤伏澤つたゐ 発行:ヨモツヘグイニナ 表紙写真:мär オンデマンドB6版/110ページ(予定)/フルカラーカバー付 物語の主人公たちは、 互いを傷つけることで愛の深さを伝えあうけれど、 ほんとうの好きは、つけた傷の深さではかるものじゃないのだ。 「首輪とロマンス」 言葉を尽くしても、 ふたりは恋をしていて、卒業したら毎日キスをしたり、 ベッドをともにして暮らすのだとみんな思っている。 ちがうのだと宣言したかった。 なぜと問う声から逃げたかった。 ――いや、なぜと問う声を発されない立場を得たかった。 「魔女の選択」 十代後半、人生の選択肢に惑う少女たちの短編2編を収録。 (版元サイトより)
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あなたとケーキをシェアするためのいくつかの方法
¥1,650
発行:本屋メガホン 82ページ 著者プロフィール Moche Le Cendrillon(著) 個人的な物語を起点に、社会にある様々なジェンダーやセクシュアリティ、美醜のステレオタイプを解体するためのセルフ・ポートレート的作品を制作。並行してドラァグ・パフォーマーの活動を行う。セーファー・スペースを考えるアーティスト・コレクティブ「ケルベロス・セオリー」のメンバー。 「他者に性的/恋愛的な惹かれを感じない」アロマンティック/アセクシャル(Aro/Ace)で、あらゆる差別に反対するフェミニストで、ADHDで、ドラァグ・パフォーマーの「Moche Le Cendrillon」による初めてのZINE。間違った偏見を持たれたり、情報にアクセスしにくかったり、クィアコミュニティの中でも透明化されたりしやすいAro/Aceの、多様で複雑な経験について語り、書き残し、"あなた"とシェアするために制作されました。 Aro/Aceのオンラインコミュニティで用いられる象徴の一つに「ケーキ」があり、「セックスよりもケーキが好き」といった冗談に由来しています。まとまらないエッセイやもたついた対談、極私的で個人的な私の経験という名の「ケーキ」を、お茶を飲みながら他愛もないお話をするように楽しんでいただけたら嬉しいです。 * “もし10年以上受けてきた教育のどこかで、自分を指し示す言葉に出会えていたら、私の経験はどれだけ違っていただろうか。自分の存在が誰かに嘲笑され、努力が足りない怠惰な人間だと判断されたり、未熟だと馬鹿にされることが全くもって不当なものだと、誰かが教えてくれていたらどれだけ楽になっただろうか。何を成し遂げても、パートナーがいないことで自分がまぬけで未熟で魅力がない人間だと思い続けずに済んだのだろうか。自分に好意を寄せてくれた相手に、明らかに納得できるわけもない理由を並べて傷つけることもなかったのだろうか。”(「WHO AM(ARE) I(YOU)?」より) “Aro/Aceは広いスペクトラムで、長い不可視化の歴史を持っていて、全く異なる感覚を持っている。ほとんど同じ文化を共有していないし、集まる場所を持ってこなかったし、自分が物語のどこにも描かれてこなかった。それ以前に、そもそもどんな共通点があろうが私たちは当たり前に違う人間だ。 ただ、Aro/Aceであることは、抵抗とアイデンティティを守るのに必要なカテゴリーだ。圧倒的に大多数の人間が持つ性的な惹かれや大きく渦巻く強制的性愛の流れに、全く沿わない人々の存在が無視されず、どの生き方を選択しても人権が保証され、アイデンティティが尊重される社会を作ることがAro/Aceのポリティクスだ。”(「境界と共感について」より) * 著者:Moche Le Cendrillon 発行:本屋メガホン 判型:A5 / 無線綴じ / 80ページ デザイン:和田拓海(本屋メガホン) 印刷:イニュニック (表紙:マットコート135kg/本文:上質70kg) * [誤植の訂正/お詫び] 裏表紙下面に記載の金額表示に誤りがありましたので下記の通り訂正させさせていただきます。お会計やオンラインストア登録の際など、お間違いのないようご注意いただけましたら幸いです。 誤) 本体:1,560円 正) 本体:1,500円+税 目次 はじめに WHO AM(ARE) I(YOU)? 誕生日に書いたケーキについての日記 おなじ傘の下で #1 Aro/Ace FUCKOFF事案 境界と共感について からだに関するいくつかの小話 おなじ傘の下で #2 Aro/Ace的おすすめコンテンツ WHY DRAG? おわりに (版元サイトより)
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石としてある
¥1,650
ただ数が少ないというだけで 説明を求められたり 勝手に意味を見出されたり 求めてもいないのに肯定されたり 応援されたり 大きなお世話だ 河原にある無数の石のように 誰かの家でだいじに真綿に包まれてある石のように 日の光も届かない海底でじっとしている石のように 意味も定義も説明も証明も求められない ただそこにあるものとして観測される 声や形や表現や文章が集まる場所をつくりたい 今までないものとして扱われてきた 見て見ぬふりをしたりされたりしてきた 声や思いや違和感を あつめてすくいあげてととのえて まるいテーブルの上にぽんと置く そこからはじめてみる そこからかんがえてみる * * * 「石としてある」は、意味も定義も説明も証明も求められず、ただそこにあるものとして観測される文章や表現が集まるための場所として、だれにでもひらかれた文芸誌です。 自分自身のあり方や立ち居振る舞いについて、説明を求められたり勝手に解釈されたりしやすい社会のなかで、他者からの一方的なまなざしやわかりやすいストーリーから遠く離れ、説明できなさ/定義できなさを主体的に祝福し、曖昧で流動的な瞬間を記録して積み重ねていくような、そんな場所を目指します。 ポケットにこっそり忍ばせて、ひとりで眠れない夜のとなりに、みんなが帰った後のあかるい人恋しさのとなりに、だれかと通じ合えなさを感じた心許なさのとなりに、足元を細くゆらゆら照らすあかりとしてともにあれたら嬉しいです。 *** エッセイ|dot./瀬川 貴音 愛という〈呪い〉を纏わせ生きること。 エッセイ|だいき 狼煙と火元 写真|おがわまき 私たち、なけれねばならぬものたち 小説|オカワダアキナ ポスト・プール エッセイ|ヤマザキやーゆ 地球沸騰化時代の到来、ことばの萌芽 漫画|とりにく 今日の生き方 エッセイと写真|るり あなた(たち)へ エッセイ|とりうみ 水の中で半ば目覚め、半ば眠っている エッセイ/小説|灰田 条/thur. きしとこどくの話 * * * 石としてある 第1号 編集発行:本屋メガホン デザイン:和田拓海 (本屋メガホン) 判型:新書判 (105×182mm) / 無線綴じ / 90ページ 印刷:イニュニック (表紙:タント(S-5) 180kg/本文:モンテシオン70.5kg)
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スパイスとセーファースペース
¥770
スパイスを使ったチャイをみんなでつくって飲みながらセーファースペースについて考えるイベント「スパイスとセーファースペース」をまとめたzine。 本書の主な内容は、イベント後に行った座談会の内容をまとめたものです。新刊書店「本屋メガホン」を運営する和田、アーティスト・コレクティブ「ケルベロス・セオリー」のメンバーである山もと、デザインを担当する浦野のイベント企画者3人に加え、イベントに参加してくれた、東京都内のチェーン書店に勤める皆本夏樹さんと、東京都内で一箱本屋として活動する「Castellu」の店主の5名で、イベントを終えた感想やセーファースペースをめぐるそれぞれの実践、問題意識などについて話し合いました。 “イベントにおいて共通の問題意識として話し合われたのは、「セーファースペースについてまとまった資料や文献が少ない」ことでした。セーファースペースという概念そのものが、常により良い状態を模索し、そのあり方を更新し続けることを前提としているため、その都度立ち返ることのできる指針のようなものの存在は誰にとっても必要なはずだと考え、今回のイベントの様子をzineとしてまとめることにしました。本書が、これからセーファースペースについて考えたいと思っている人にとっての道標となったり、すでに実践している人にとってその考えを広げるような役割を果たすことができれば嬉しいです。”(「はじめに」より) *セーファースペースとは 「差別や抑圧、あるいはハラスメントや暴力といった問題を、可能な限り最小化するためのアイディアの 一つで、『より安全な空間』を作る試み」(『生きるためのフェミニズム パンとバラと反資本主義』堅田香緒里/タバブックス/2021年) のこと。様々なジェンダーや階級、言語やセクシュアリティを有する人々が一同に集まる社会運動の場において、そういった社会的背景の違いから生まれる差別や軋轢をいかに最小化するか、という問題意識から生まれたこの概念は、すべての人にとって完全に安全な空間など存在しないという前提を共有しつつ、それでも「“より安全な空間”を共同して作り続けていくこと」を目指す試みであることから、safeでもsafestでもなくsafer(=より安全な)という比較級が用いられています。 発行:本屋メガホン 編集:山もといとみ 浦野貴識 印刷:when press https://www.whenpress.com 判型:W105mm×H250mm 12ページ (版元サイトより引用)
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生活と怒号
¥880
"差別や不条理に対して怒る自分と、それでも普段通り生活を続ける自分はどちらも自分だ。怒り担当、生活担当の二つの人格があれば便利だが、どちらも同一の自分が同時に引き受けなくてはならない。怒るにはそれなりにエネルギーが必要だし、怒りに振り回されて生活が疎かになっては元も子もない。怒る自分と生活する自分が乖離せず、ちょうどいい距離感を保つにはどうすればいいのか。本書では特に怒りや違和感について書く行為や、書いたものを綴じ、自分で売る行為を続けてみて感じたことを中心に考えてみたい。" ー「生活と怒号」より 社会的マイノリティについて書かれた本をメインに扱い、「小さな声を大きく届ける」ことをコンセプトに掲げる新刊書店「本屋メガホン」を運営する著者によるZINEの第2号。 自身もマイノリティとして生きる中でこれまで感じてきた違和感や、本屋を開業するきっかけなどについて書いた前作のZINE「透明人間さよなら」の制作・販売を通して考えたことを中心に書かれた今作は、「生活する自分と怒る自分のバランスのとり方」についてや、「無理せず我慢せず自分なりの抵抗の仕方で健康的に怒る方法を見つけること」などについて、著者の実践と体感をもとに書かれた一冊です。 [目次] 生活と怒号 効率の悪い怒り方 当事者性一本槍 綴じる閉じない 生き方としての本屋 政治を拡大解釈する あとがき 著者:和田拓海 発行:本屋メガホン 判型:W200mm×H70mm 16P (版元サイトより)